spit:「この前のモンスター襲撃事件以来、人、多いナー。
てくてくとスピットはプロンテラベンチに急ぎます。
*1
あ、途中、イタを見つけました。
spit:「お。ふふふ…
前回の仕返しです。
ita:「今、グローブ倉庫から出してたんよ。
spit:「アブとかはまだ来てないみたいだね。
ita:「みたいだね。
spit:「むぅーん。
*2
spit:「アブ、来ないねー。
ita:「最近、ラバは見かけないなー。
spit:「だねー。
spit:「あ、そーだ。手紙が来てたんだ。
Abd:「ほう?どなたから?
spit:「んー。
spit:「
イブから。
ita:「誰?
Abd:「なんて?
spit:「いや、まだ見てない。
かさかさと、スピットは手紙を開きます。
*3
Abd:「あ、ちょっと芋買ってくるわ。
アブはすっと立ち上がると、人垣の中にきえていきました。
スピットはその背中をちらりと見てから、手紙を開き…
アブがすごい勢いでスピットたちの前を走って、北門の方へと進んでいきました。
アブから、電波が届きます。
Abd:「
イブに似た人がいた!
spit:「は?
Abd:「もしかして、冒険初めて、今、ノービスとか、やってない?
spit:「いや、まだ手紙見てないし。
Abd:「早く読みなさい!
ita:「誰よ?
spit:「前略、スピット…。
Abd:「ふんふん。
spit:「
旅に出ます。
ita:「なんか、哀愁ただようなぁ。
Abd:「やっぱり、アレはイブだ!
ita:「で。誰なの?その人。
spit:「幼なじみだ。
Abd:「女の子だ。
ita:「それを先に言え。
と、プロンテラを走り出す一行。
イタが電波でスピットに聞きます。
ita:「その子、髪、何色?
spit:「…
spit:「
さぁ?
Abd:「ピンクじゃなかった?
spit:「青だったような…
ita:「本当に、
幼なじみなのかよ。
spit:「3日あわないと、女は変わるんだよー。
浮気性だから、覚えてないだけです。
3人はプロンテラを走り回ります。しかし、見つかりません。
とぼとぼと、プロンテラベンチに戻ってきました。
Abd:「ごめん、見間違いだったかも。
ita:「そもそも、顔を知らないしなぁ。
spit:「困ったなー。本当に、冒険者になるつもりなのかなぁー。
スピットはもう一度手紙を取り出して、見てみました。
あれ?
二枚目があります。
スピットはそれに目を通しました。
spit:「
;゜д゜)
ita:「どうした?
ita:Abd:「
;゜д゜)
フェイヨンと言えば、砂漠を越えて、深い森を抜けて、その先にある小さな村です。
そこには、そう…
アーチャーギルドがあります。
spit:「本日のツアー、決定!
スピットは拳を握ります。
アブも握ります。イタもこくりとうなずきます。
スピットの声が、プロンテラベンチに響きわたりました。
マテ!
しかし、スピットたちはすぐさま、近くの空間移動サービスに、フェイヨンへと運んで貰うのでした。
*4
spit:「イブ狩りだー!
かなり、
イヤです。
そしてフェイヨン。
スピットは電波でイブとコンタクトを取ろうとします。
spit:「くそぅ、つながらない…
ita:「アブ、探しに行こう。
Adb:「了解。
イタがギルドを見に行きます。
アブは人混みの中をきょろきょろと探していきます。
spit:「むにむにむにー。
スピットは電波をとばしています。
*5
イタから、電波が届きます。
ita:「こっちにはいない。
アブからも電波が届きます。
Abd:「人混みの中にも、いませんね。
ita:「どうする、スピ?
spit:「むにむにむにー。
spit:「電気魔導士を、
ナメルナー!
spit:「いた!!
ita:「ナニっ!?
Abd:「何処に?
spit:「どこにいるんだ、イブ?
evelin:「…?
spit:「…
spit:「
迷ってるんだ…
*6
evelin:「今、どこ?
spit:「フェイヨン。
evelin:「そっちに向かってます。たぶん。
spit:「知ってる。
spit:「外にいるみたいだ。探しに行こう。
Abd:「了解。
ita:「どんな子なの?
spit:「あってからのお楽しみだ。
スピットたちはフェイヨンを飛び出します。
そして、森へと続く谷の道を行く途中…
spit:「
三゜д゜)
いきなり
すれ違い!
しかも髪、金髪ショートです。
誰も合ってないじゃん。
*7
Abd:「囲めー。
ita:「囲むの!?
spit:「
ゴルァ!イブ!!
そりゃ、逃げますって。
spit:「とりあえず、ここじゃなんだ。
スピットは言います。
spit:「フェイヨンに言って、話を聞こうじゃないか。
eve:「別に話すことなんかないし。
spit:「コッチにはオオアリなんじゃ、
ワレ!
スピットたちはイブをつれて、フェイヨンに戻ります。
どこか、ゆっくりはなせる場所を…と、スピットたちはフェイヨンの奥、屋敷の階段前に来ました。
spit:「あのな、イブ…
階段に腰を下ろし、スピットは言います。
spit:「って、近づきすぎだ、バカ。
何故かスピット、照れてます。
ぺたん。
spit:「…
spit:「アブ、後はまかせた。
スピット、説得する気、
消失。
Abd:「私ですか?
eve:「アーチャーになりたいんだけど?
Abd:「ああ、プロンテラに行きたいと言うことですね?
って、にこにこ笑いながら、アブ。
spit:「アンタ、スゲーよ。
Abd:「何がですか?
eve:「アーチャーになるために、フェイヨンに来たんだよ。
Abd:「試練の森を抜ければ、
なれます!
嘘です。
*8
eve:「アーチャーギルドって、どこ?
Abd:「手強い。イタからも何か言ってください。
ita:「アチャコもかわいいから、
別にいいよ。
Abd:「
;゜д゜)
弱いぞ、男の子!
スピットはのそりと立ち上がりました。
spit:「それは、どーしても、なの?
Abd:「
アチャ
コ、じゃなくて?
eve:「うん。
eve:「アチャになる。
Abd:「あぁぁあぁぁぁ…
ita:「アチャコもかわいいぞ。
Abd:「そういう問題ではありません!
じゃあ、
どういう問題だ!?
スピットはふぅと、ひとつため息を吐きました。
spit:「ま、いいか。
spit:「イタ。
ita:「ほい?
spit:「アチャギルドへ、道案内。
ita:「知らないだけだろ。
spit:「
そうとも言うな。
イタを先頭に、4人はフェイヨンの奥、アーチャーギルドへと向かいました。
Abd:「気が変わったりはしてませんか?
eve:「…そう言われると、変わってくる気がする。
spit:「マテ、バカモノ!
なんだかんだと、言いながら。
そして、アーチャーギルド。
ita:「あ、これ、あげるわ。
先についたイタは、イブにカプラバンドをあげていました。
スピットはびっくりです。
spit:「ブルジョワな。
ita:「ネコミミもあるよ?
ブルジョワです…
そして最後にアブも到着。
イブはアーチャーギルドの職員に話しかけました。
ita:「おめー。
Abd:「お〜め〜。
spit:「さー、
祝砲だ!!
spit:「
唯一の楽しみなのにー!
しないでください。
転職を終えたとなければ、次は装備です。
ここはアーチャーの村。
アーチャー装備も充実しています。
早速みんなで、買い物に繰り出すことにしました。
spit:「財布は、イタがいるから心配するな。
ita:「マテ!
Abd:「アーチャーOKを出した罪です。アルパレストくらい買ってあげなさい。
*9
ita:「そんな金は…!
ita:「
あるなぁ。
spit:「ブルジョワめ。
武器屋さんです。
イブは、じーっと、選んでいます。
eve:「何がいいのか、わからないなぁ。
ita:「ああ、アルパレストは買ってあげたよ。
spit:「ブルジョワめ!
ita:「何か、プレゼントしてあげないの?
spit:「…
実はスピット。
今ここにいるみんなの中で、一番のビンボーです。
自分のグラディウスを買うために、せっせとためているお金以外、持ち合わせていません。
Abd:「タイツ、買ってあげたい。
*10
spit:「そんなお金は、
ひっくり返っても出ません。
当然です。
グラディウスが
2本買えます。
ita:「タイツ…
ita:「
も、買えるなぁ。
ita:「貧乏人め。
spit:「ああ、分かったさ!
spit:「
マフラー、買ってやる!
かけるもので、アーチャー最高の防具です。
と言っても、3000ゼニーしません。
でも、スピットに取っては、痛い出費です。
半ギレです。
あえて何も言いますまい。
*11
一通りの買い物を済ませ、「じゃ、ここからプロンテラまで、レベルアップがてらに歩いて帰ろうか」
なんて話をしていた時です。
spit:「ん?
スピットに、電波が届きました。
懐かしい声が聞こえてきます。
「お久しぶりです、すぴさん!」
spit:「あ、その声は…
spit:「Kさんじゃないですかー!
*12
K-9999:「お久しぶりですー。
K-9999:「すぴさん、今、どちらにいらっしゃいます?
spit:「今?今はフェイヨンにいます。
K-9999:「遠いですね…
spit:「何かあったんですか?
K-9999:「はい。
K-9999:「俺のパーティの友達が、結婚したんですよ。
spit:「…
spit:「
マジで!?
Kさん、初めて冒険を一緒にして、別れた時はまだパーティもいなかったのですが…
スピットは電波で聞き返しました。
spit:「式は、どこでやるんですか?
Kさんは返します。
K-9999:「あ、もう、終わっちゃったんですよ。
K-9999:「プロンテラ城で、1時からだったんです。
spit:「
!?
そういえば、そんな話をしている人を、プロンテラで見ました。
スピット、かなりのショックです。
K-9999:「あ、それで…
K-9999:「これから2次会やるんですけど、来られます?
spit:「
いかいでか!!
K-9999:「(w
Kさんは笑って、2次会の会場を教えてくれました。
スピットは買い物を済ませた皆と、そしてプロンテラベンチの方にふらりと立ち寄ったらしい、ラバに向かって、電波をとばしました。
spit:「Kさんから、お誘いだ!
Abd:「なんの?
spit:「結婚式の2次会!
ita:「おおっ!
luvas:「2次会?で、何処に行くって?
eve:「Kさんって、誰?
spit:「オマエら、当然、行くよな!?
Abd:ita:luvas:「
いかいでか!!
スピットは電波でKさんに返します。
spit:「Kさん、5人、参加です。
K-9999:「はいはい。では、現地集合で。
spit:「
了解っス!!
ita:「で、どこでやんの?
luvas:「俺、移動しないとまずいか?
spit:「ラバはそこにいろ。
spit:「俺たちは空間移動を使って、プロンテラに戻るぞ。
ita:「あ、プロンテラなんだ。
spit:「おう。
spit:「
プロ北だ。
Abd:ita:luvas:「
マテ!!
イブが目を丸くして聞きます。
eve:「プロ北って?
spit:「
詳しくは、欄外を読め!*13
にやりと笑って、スピットは歩き出しました。
ぽん。と、イブの肩をイタが叩きました。
ita:「まぁ、しょっぱなの冒険でプロ北なら、この先はなんとでもなるよ。
eve:「?
イブは買ったばかりのアルパレストを不器用に抱えなおして、皆の後に続きました。