studio Odyssey



便乗!お祭り騒ぎ!!



 ゲフェンタワー最上階から、イタはペコペコで下っていました。

ita:「ペコペコ、足早すぎますかね?
Ridgel:「あ、後ろがついてきてない!
 イタの声に振り向いたリジェルさんが目を丸くします。

mayumi:「みんな遅いよー!

ita:Ridgel:「って、生足でペコペコに追いつける人の方がすげぇよ!

mayumi:「アヒャ!

 アサシンのまゆみ嬢だけが、ペコペコに乗ったナイト二人についてこれていたのでした。

 と、三人は三階まで降りたったところで立ち止まります。
ita:「ちょっとここでまってましょうか。
 ふいとその部屋を見回すと、

「お、転職はもうすんだのか?」

 イタには懐かしい声が聞こえてきました。

ita:「お、来てたんか。

 翡翠色の髪の剣士が答えます。

翡翠髪の剣士:「イブが祝福したいって言ってな。ゲフェンまでつれてきたとこだ。

 あがってきた階段の方を剣士は指さします。と、そこからは何人かの彼のパーティメンバーとイブがあがってくるところでした。
ita:「お、うちの弟もいるのか。
ita-u:「あ、久しぶり。
arcafe:「兄弟らしからぬ挨拶ですねえ。
翡翠髪の剣士:「うちと対してかわらん。
mayumi:「あ、パナきゅんまで〜。
Panache:「まゆみさん、こんにちわ。
Ridgel:「総登場だなー。*1

 もうひとつのプロンテラベンチの面々を見て、リジェルさんは感嘆のため息を漏らします。

eve:「で、スピは?

 イブが聞きました。よいしょとアルバレストを抱え直します。まゆみ嬢はむふふと笑って返しました。

mayumi:「たぶん、まだ上だよ。アブきゅんも一緒だよん。
eve:「あ…

 イブは何かを言おうとして、ごにょごにょと言葉を濁しました。
 気づいた翡翠髪の剣士が、彼女の背中をぽんとたたいて言います。

翡翠髪の剣士:「ほれ、行って来いよ。

eve:「あれ?行かないんですか?
arcafe:「リーダー同士の仲が悪いんで、ふたつのパーティは相容れないのです。
翡翠髪の剣士:「人のせいにすんな。

 なんて言って、軽く笑います。

翡翠髪の剣士:「あいつはあいつの生き方、冒険がある。俺には俺の、それがある。それでいいんじゃねぇか?

arcafe:「悪くないですね。
ita-u:「イブさん、おめでとうと伝言してください。
Panache:「あ、私からも。

eve:「わかりました。

 こくりとうなずいて、イブ。

ita:「上に戻りますか。
 ぺこぺこの上から、イタは言います。
mayumi:「だねー。

便乗!お祭り騒ぎ!!


 スピットたちは、イタたちとはぐれてしまったのでした。

 で、スピットたちはタワーの途中階で立ち止まり、他愛もない話に花を咲かせていたのでした。

luvas:「イタたち、どこいっちゃったんだろうな。
spit:「さぁ?
Grill:「神隠し…

 と、そこに近づいてくる人影に、スピットは「おっ」と振り向きました。

途中階
spit:「あ。
luvas:「イブだー!

 「なつかしいじゃないか」「こんばんわー」「ひさしぶりー」それぞれが口々に言います。
 イブは笑って、返しました。

eve:「お祝いにきたよ。


spit:「じゃあ、なんかくれ。


 それかよ!?

お祝い eve:「はい、アブ。お祝い。
Abd:「お、ありがとうー。

spit:「俺にもくれってよ!!
eve:「はいはい。じゃー、これあげるから。

 と、スピットはイブから花束をもらいました。


spit:安…
luvas:「お前、そーゆーこというか。
irurur:「気持ちですよねー。

spit:「まぁ、花束でももらえればいいや。

mayumi:「なになに、スピたん、何もらったのー?
 階段から上がってきたまゆみ嬢がいいます。「あ、戻ってきた」ラバが小さくつぶやきます。

spit:「ああ。

 スピットが返す台詞に、アブの言葉が重なりました。
Abd:「イブ、実は、お祝いにほしい物があるんだ。


 イブはハテナ?という風に首を傾げて返します。

アブのほしいもの?

衝撃の告白!!  なんと、アブが口にした言葉は!?

      


spit:なにいいぃぃいいぃ!?

mayumi:「って、スピたん衝撃受けるシーンじゃないし。

 アブはがしっとイブの手を取って言います。

Abd:「君を守るためにウィザードになったんだ。
spit:「まぢかよ!?

Abd:「嘘。


 嘘かよ!?

spit:「…っていうか、どこまで本当で、どこからネタ?

mayumi:「スピたん…
spit:「ん?

mayumi:「イブたんの顔を見てみなさい。


spit:「ん?

見つめ合うふたり
spit:「赤くなってるよ!?

"hayate":「んー、スピさんの転職よりめでたい気がするのは…
ita:「くっ、花がねえ…
Ridgel:「おめー。
aoiruka:「めでたいことが重なりますねー。

 みんながわいわいと言う中、イブは照れてか、ぷいっとそっぽを向きました。
spit:「で。


 スピットはイブに聞きました。そか、アピが言ってたのは、このことか…と思いながら。*2

spit:「イブはどうするの?

eve:「えっ?えっ?えーと…

luvas:「こいつは嘘で生きてるから気をつけろ!
Abd:「ひどいですよ。
Nill Gram:「言葉の魔術師め!

spit:「まてまて!

 口々に言う皆をスピットは制します。
spit:「こういうのは、当人同士の問題だ。俺たちがとやかく言うことじゃねぇ。
mayumi:「大人のいけーん!

 スピットはもう一度、ききました。

spit:「で、イブ。どうするの?

eve:「えーと…

 言葉を濁しながらも、小さな声で、イブは言いました。


eve:つ…つつしんでお受けします…



 ぷち。

mayumi:「あ、なんか鳴った。

spit:「よーくわかった!ならば何も言うまい!!

luvas:「スピットの方から聞こえた気もするぞ?
Grill:「あ…

spit:「なにはともあれ、祝福だ!


Abd:「!?
eve:「みんな、逃げてー!
ita:「それは祝福ではない!?
"hayate":「フラれた男のやっかみだ!
mayumi:「っていうか、そもそもスピたんとはつきあってもないし!
irurur:「落ちついて!!
aoiruka:「な、なにが!?
Ahsgrimm:「くるぞっ!?
Nill Gram:「わからんが、やな予感がする!!
Ridgel:「総員たいかーん!


それかー!!

Abd:「あ、愛があるから痛くないさ…
eve:「さっそく未亡人かと…





 そして、皆はその場に整列しました。
 スピットが言います。

結婚式
 ウェディングドレスもありません。
 宣誓のための聖書もありません。

 ブーケはさっきスピットがイブにもらった花束です。
 銀の指輪はたまたまハヤテさんがしていたアクセサリです。

 スピットは古い魔法書を手に持って、とりあえず形だけはと、言いました。

 みんながはやし立てます。

spit:「汝、ウィザード、アブドゥーグ。

Abd:「はひ。

spit:「アーチャー、イブリンを永久に愛し、ともに生きることを誓いますか?

Abd:「もちろん!

spit:「マヂかよ!?

 とっさに言ったスピットの声に、みんなが思わず吹き出しました。

Abd:「言うだけならタダ。

結婚式
luvas:「やっぱりな。
Grill:「こらこら。
Ahsgrimm:「さすがだ。


spit:「汝、アーチャー、イブリン。

eve:「あい。

spit:「ウィザード、アブドゥーグを愛し、ともに生きることを誓いますか?

eve: 「はいっ!


マテ
 ぼそりと言ったイブの言葉に、みな思わず吹き出しました。

spit:「マジで?

 言うスピットは笑っていました。*3

spit:「えーとねそれじゃぁ…


luvas:ちょっとまったー!


みんな:Σ(゜д ゜

Abd:「待ってあげない。

luvas:「言ってみただけだ。
spit:「では他に…

mayumi:「いぎなーし。
Grill:「なし。
"hayate":「既婚者なので、意義も何も。
Ahsgrimm:「まんせー。
Ridgel:「ここで、花嫁を奪うとか、イベントがほしいところ。


mayumi:「あ。


翡翠髪の剣士:「ひきしっ!
arcafe:「風邪ですか?
ita-u:「誰か噂してるんですかね。
Panache:「ま、だいたいわからなくもないですけど。

翡翠髪の剣士:「さーて…

 見上げる先には、ゲフェンタワーがありました。


翡翠髪の剣士:「どっかのアホどもが、またおもしろいことでもしてんだろ。



spit:「では、ふたりには誓いのキスを!


 その時です!

マテ
その通りです


spit:「いいから、さっさとちゅっとやれよ。


Abd:「はいはい。

 アブはイブに振り向きます。
 イブも、アブの方をまっすぐに向きます。


彼女が



 と、今度こそ、その瞬間…

消えた



 マヂです。


復帰
 しゅいんと、イブが戻ってきて、言います。


eve:「がんほーのいじわるぅー!

"hayate":「おもしろすぎ。



 と、まぁ。

 ベンチの面々ですから。*4



ちゅっとね
 そして誓いのキス。


spit:「じゃ、ブーケ投げを…

Nill Gram:「走るのか、俺たちも。
ita:「行くぜ、AGIナイトの力を見せてやる。

eve:「それっ!

 だっと走ったのは…

mayumi:「げとー!

さすが、アサ!
Abd:「はえぇぇ…
luvas:「さすが、アサシン…


mayumi:「次は私が栗毛きゅんげとーの番だー!
"hayate":「奴隷か。
irurur:「奴隷ですね。
spit:「ああ、間違いない。*5


spit:「では、本日のメインイベントー!


 スピットが言います。






 場所は変わって、ここはゲフェン西の入り口。

spit:「みんな、そろってるなー。
ita:「ポーションかっといた方がいいかな?
spit:「じゃ、いくぞー!
Abd:「買い物しないのかよ。

死にツアーですから

 まぁ、ある意味、な。

 そして一行が向かった先は…

巨大な橋を渡り…

グラストヘイム


 グラストヘイム入り口。


spit:「ここが、世に名高い高レベルダンジョン…
mayumi:「入ったら、即死だよー。

ita:「意外と、誰も死なずにここまでこれるもんだなぁ。*6
Ahsgrimm:「数の暴力。
aoiruka:「いや、タゲられたら僕は死にますが…

Grill:「記念撮影と行きますか。
 グリが言います。

"hayate":「新婚さんは真ん中に。
 アブとイブは、「あはは」と軽く、笑いました。

 みんなが並びます。
spit:「じゃ、とるよー。

 スピットがいいます。
Ahsgrimm:「これで、いつ死んでも大丈夫。
ita:「おいおい。

spit:「さーん、にーぃ、いーち…


最初で最後の、記念撮影

 総勢、13人。
 最強のプロンテラベンチのメンバーです。

spit:「よし、ならばいくぞ!

死にツアー!?


mayumi:「いや、まだ入れないから。
ita:「っていうか、入ったら即死。

eve:「未亡人?
Abd:「死なせません!

Ahsgrimm:「いや、その台詞はアブが言ってもしょうがないし。
luvas:「っていうか、死ぬしな。
Abd:「お前がな。



spit:「入れないならしょうがない!目的地変更!

 スピットが言います。

ita:「どこへ?

 ん?と、スピットはちょっと考えました。
spit:「ここから一番近いダンジョンといえばー…




spit:ゲフェンダンジョン、突撃っ!!


続きます!
みんな:「おーっ!!

spit:「いくぜ!最強のプロンテラベンチ!!

 そんなこんなで、ゲフェンダンジョンへスピットたちは挑みます。*7



*1 パナはスピットの転職のために手伝ってくれたアコライト。ita-uはβ1の頃のスピットのパーティメンバー。
 なつかしのキャラって感じですね。
*2 前回、前々回、その前から続く伏線は、こーなっていたんですねっ。ベンチの面々も、やってくれます!
 だてにプレイしているわけではないのですよっ。(嘘)
*3 素でRPGしながら、こんな事いうパーティメンバーにカンパイ。(笑)
*4 なぜってくらいに、オマエらおもしろすぎ。
*5 と、言う訳なので、誰か嬢の奴隷になってあげてください。
 spitはなりません。
*6 このフィールドにはプティットという、小型の竜モンスターがいる、結構厳しいフィールドなのです。
*7 そして次回は感動の(?)最終回、「最強のプロンテラベンチ。」
 お見逃しなく!