studio Odyssey



Ragnarokへようこそ!



「スピット!まーた手紙が来てるぞ!」

 いつものように冒険に出る準備を整えて、スピットが帽子屋を出ようとした時でした。
 店の主人が出かけようとするスピットに気づいて、言います。

「消印がだいぶん古いんだが…どうも住所がちゃんと書かれていなかったらしくてな。昨日、隣の通りの武器屋の主人が持ってきてくれたんだ」
「はぁ」

 スピットはぽりぽりと頭をかきながら、その手紙を受け取ります。
 差出人を見ると、そこに書かれていたのは、karupinと言う名。

 聞いたことのない名前です。

「誰だろ?」
 まぁ、いいやと、スピットは手紙を手に、いつものベンチへと向かいました。

 ベンチまでは数分の距離です。
 スピットは手紙を開いて、中に目を通しました。

 そして、びっくりしました。

 前略、スピットさん。

 突然のお手紙、申し訳ありません。
 実は、折り入ってお願いがあります。

 自分は冒険者を初めて、まだ間もない者なのですが、スピットさんたちの活躍を『プロンテラベンチの仲間たち』で知り、*1お会いしたくてペンを取りました。

 もしもお時間がよろしければ、今月のXX日、プロンテラベンチでお会いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
 ベンチで、待っています。どうぞよろしくお願いいたします。


 追伸

 都合のいいお願いかとは思いますが、自分と、もう一人、アコライトの女の子をつれて行きます。
 もしも、もしもですが、ギルド、Ragnarokに空きがあれば、ふたりをギルドに入れてはくれませんでしょうか。よしろくお願いいたします。


 スピットははっとしました。
 そして、手紙を手に、叫びました。


spit:昨日じゃん!?

Ragnarokへようこそ!


 スピットはあわわあわわとベンチへ急ぎました。
 と、言っても、日付は昨日です。
 しかも、運悪く、昨日はスピット、冒険に出なかったのです。

spit:「帽子屋〜!!

 叫んでみても、後の祭り。
 スピットはベンチにたどり着くと、「くそっ!」と吐き捨て、壁際に寄りかかるようにして座りました。
 と、いうのも、いつものベンチ前にはポタアコさんでしょうか。が座っていて、座れなかったのです。

spit:「おのれ…せっかく、俺に会いたいって人がいてくれたのに…


あれ?
spit:「ってゆーか、手紙の日付は昨日だろー!!

karupin:「いやぁ、昨日、プロンテラは冒険者、入れなかったんで…もしかしたらスピットさん、今日も来てくれるかなって。*2
spit:「ま、まぁ…なんだ。俺は基本的に、いつもここにいるからな。

 >昨日は来ちゃいませんでしたが、なにか?


 スピットに声をかけたアーチャー、カルピンに気づいて、ベンチ前、いつものスピットの定位置に座っていたアコライトの女の子が、とてとてとスピットの隣にやってきました。

Eir.「こんにちわぁ。
spit:「手紙の…?
karupin:「そうです。
 アーチャー、カルピンは答えます。

karupin:「アコライトの、エイルです。
Eir.「エイルです。初めまして。
spit:「こちらこそ、初めまして。

eve:「スピット、鼻の下を伸ばして、どうしたの?
spit:「のわあぁぁ!?

神出鬼没がモットーですか?
 突然かけられた声に、スピットは飛び上がらんばかりに驚きました。
 隣に座っていたのは、アーチャー、イブリンです。

spit:「お、お前、いきなり出てくんな!
eve:「いきなり出てこられては困るようなことをしていた、と。


spit:「夫婦そろって、突然出てくるのはどうかと思うぞ。
eve:「あーと、妹に最近手紙書いてないし、たまには書くかー。えー、『前略、アピ。今日、スピットがベンチで…』
spit:「ごめんなさい。

 弱いぞ、男の子!!

eve:「こちらの方々は?

 イブが聞きます。

spit:「『ベンチの仲間たち』を見て、ベンチにいらした方々だ。あ、ちなみにこいつが、イブリン。
karupin:「初めまして。
Eir.「はじめましてー。
eve:「こちらこそ、初めまして。

karupin:「っと。

 はっとして、カルピンは腕の時計を見て言いました。

karupin:「すいません、ゆっくりお話したいところなのですが、実は訳ありで、今日はもう、戻らないといけないのです。
spit:「あれ?そうなの?今きたばっかりなのに。

karupin:「すみません。あ、代わりといっちゃ何ですけど、エイルは残していきますんで。
spit:「あ、そう。ああ、そうだ。

 軽く答えて、スピットはごそごそとポケットを探りました。

spit:「ほい。

 ぽいと投げ渡すそれは、ギルド、Ragnarokのエンブレムです。

karupin:「え!?いいんですか!?
spit:「いいもなにも。もともと、そのために会った訳だし。
karupin:「初対面なのに…
eve:「うちのギルマスは、こんなんです。いつも。

 イブは笑いました。

spit:「次からは、ギルドでいつでもいるかどうかわかるから。
karupin:「ありがとうございます。じゃ、エイル、俺は行くから。
Eir.「はーい。
karupin:「じゃ、イブさん、エイルのこと、よろしくお願いします。
eve:「はい。スピから守ればいいのね。
spit:「マテ。


 信用ないぞ、スピット!

spit:「それじゃ、俺が悪者みたいじゃないかー!


そんな事もあったねぇ…

 たしかに。*3

karupin:「では、失礼します。今度時間のあるとき、冒険しましょう。

 そういって、カルピンは足早に去っていきました。

 その背中が噴水広場の方に消えて、見えなくなると、スピット。
spit:「さて、…


この男は…

eve:マテ。

 舌の根も乾くとか乾かないとか、まさにこのことですな。

 しかし、エイルは小首をちょこんと傾げて、

Eir.「はい?
 と、つぶらな瞳で聞いてきます。
Eir.「なんですか?

spit:「…
eve:「…




spit:「…いや、つぶらな瞳でふつーに返されても…
eve:「ああぁっ、乙女の純粋な瞳がイタイ。

Eir.「?

spit:「と、とりあえず、エルちゃんのレベル上げに、どっか行こうか。

 話題を変えます。

eve:「エルちゃん、今、レベルは?
Eir.「えーと、転職したばかりなので、まだ12です。





spit:「…か、狩り場はどこがいいのですか?イブリンさん。
eve:「ほんとーに、なんも知らないねぇ…

 これでギルド、Ragnarokのマスターです。

Eir.「あ、でも、武器が何もないので、武器を調達しないと…
eve:「エルちゃんは、何型のアコ?

Eir.「あ、Int特化です。
eve:「いばらのみち…

spit:「そうなの?

 これでギルド、Ragnarokのマスターです。*4

eve:「じゃ、まずは武器をなんとかしないとね。
 イブはうーんと考えました。
 すかさず、スピット。

まてまて
spit:「家族の財布を一手に牛耳っている。
eve:「ちょっと。
Eir.「すごいですねー。
eve:「っていうか、スピだってお金持ってるでしょ?
spit:「いーや。

 スピットは胸を張って言います。


spit:「この前無駄遣いしたから、ネェよ。

無駄遣いかよ…


spit:「このぼろマントを買ったのだー!

 と、得意げに、身にまとっているぼろマントを見せびらかします。



eve:「…前はもうちょっとこぎれいなマフラーをしてなかったっけ?
spit:「あ、てめぇ、このぼろマントの良さがわからんのか!?

 いや、ぼろマントに良さってあるんですか?

Eir.「ぼろ?
spit:「うん。ぼろ。


spit:「前つけていたマフラーより、防御力がよわいの。
eve:「意味ないっ!?
spit:「って、ウィザードが装備できるマントは、これくらいしかネェんだぞ!
eve:「それで、それ、いくらしたの?
spit:「…



spit:170,000ゼニー。



eve:Eir.高っ!?*5

spit:「でも、マントな事に意義があるんだよ!
Eir.「意義?
eve:「つまり…


それをいっちゃあ…

spit:「(ばれてる!?
eve:「(つきあい長いからね。


Eir.「でも、スピさんは十分かっこういいと思いますが。
spit:「まぢですかっ!?

eve:「エルちゃん、おだてちゃダメ。
spit:「かっこういいってよ、へへーん。
eve:「はいはい。よかったね。

spit:「日記にかいとこーっと。
eve:「書いてるのを、見たことがないですが。


 …?


eve:「ちょっと、倉庫行って来るね。エルちゃんの装備で使えそうなもの持ってくる。
spit:「ほーい。
Eir.「あ、ところでみなさんは、いつ頃から冒険してらしてるんですか?
spit:「んー?あれ?いつぐらいからだろ?覚えてないな。
Eir.「私、今年に入ってからはじめたんで、まだ全然、ぺーぺーなんです…どうぞよろしくお願いいたします。
spit:「あ、そうなの?まぁ、でも大丈夫。時間と強さは比例しないから。
Eir.「そうなんですか?
spit:「現実、俺と会ったときはノービスだったまゆみ嬢とか、もう俺より強いし、いるるっちも、俺より全然強いし…。

「ほーら、いた。

 と、突然ベンチ前にやってきたのは…

久々登場 spit:「ほらいたって何だ。
ita:「いや、いるだろうなーと思って。

 っていうか、まぁ、一番いる確率が高いのはここですが。

irurur:「ぜぇぜぇ。
spit:「あ、ウワサをすればいるるっち。

irurur:「なんか、プロンテラ、人多いですね…
spit:「そか?いつもとかわらんが。

irurur:「最近、冒険に出てないせいかな…
ita:「同感…身体が重い…

spit:「そういや、最近見なかったな。
ita:「あ、いや…なんだ…ちょっといろいろあってな…
spit:「まぁ、別に詳しくきかんけど。

Eir.「あ、えーと…えーと…

spit:「あ、紹介しよう。

ベンチ前にひさびさメンツ

eve:「ただいまー。スピ、深雪さんとあったよー。
spit:「あ、深雪嬢も。ひさ。

miyuki:「あーっ!

この子は…
spit:「やると思ったけど、すんなーっ!!


 いや、無理。

Eir.「あ、あぅ。

ubu:「あれ?なんか今日はベンチにいっぱいいますねー。
spit:「お、初心。ちょうどいいところに来たな。
eve:「あ、初心。こっち来たんだね。
ubu:「あ、おかあさん。こっちで会うのはお久しぶり。
irurur:「親子の会話にしては…
ita:「うーん…
ubu:「で、スピさん、なんですか?いいところにって?
spit:「おう。

 スピットはむんと胸を張って言いました。

spit:「これから、エルちゃんのレベル上げに行く。にんじんを大量購入してこい。
ubu:「えっ!?


spit:「とうぜん、ツケで。

ubu:「…私、スピさんにいくらお金かしてるか知ってます?


spit:しらん。


 サイテー。





 さて、そんなこんなで、一行は砂の町、モロクの南。
 中級のミミズモンスター、ホードの徘徊するフィールドへと来ました。

spit:「よし。ざくざく行くぞ。
Eir.「ええっ、ホードなんて倒せませんよー。
miyuki:「大丈夫、死んでも生き返るー。
eve:「いや、そういう問題じゃないかと。
ubu:「大丈夫です、おかあさん。にんじんは大量に準備済みです!
eve:「そういう問題でもない!

spit:「案ずるな!

 ばっとスピットは腕を振るい、叫びました。


spit:イタ壁、よろしく!!

ita:「ひさびさに冒険に出たら、これかー!?


 なむなむ、ちーん。


ita:「ま、いいけど。
Eir.「すみません…

ita:「とりあえず、てきとーに…
 ぼこり、と近くにいた茶蛇こと、サイドワインダーをイタはたたきます。
spit:「さぁいけエルちゃん!

さすがにレベル12では…

spit:「…無理がありましたか?
eve:「あったんじゃないですか?

spit:「おーい、初心。
ubu:「はい?


spit:「コイツ、火属性に弱いから、ちょっとモロクいって、火チェイン買ってこい。
ubu:「えっ!?


spit:「とうぜん、ツケで。


ubu:「あんた、火チェインいくらするか知ってますか!?


spit:「しらない。*6

ubu:「ったく…もー、本当にいつか返してくださいよ、お金…
 と、てくてく、初心はモロクに向かって歩いていきます。

spit:「未来で、俺に請求しとけ。

 って言うか、未来でも絶対払わないでしょ、あなた。


Eir.「す、すみません…私のためにこんな…

 モンスターをたたきながら、エイルは言いました。
spit:「ああ、きにすんな。

 いや、あんたはちょっとした方がいい。

 そんなこんなで、しばらく狩りを続けていると…

Grill:「なんか、おもしろそーな一団がいると思ったら…

 と、やってきたのは焼豚こと、グリル・ポーク。

spit:「あ、火属性マジ。
irurur:「あ、ここは確かにグリさんには稼ぎやすいところですねー。

 と、言ういるるは、実はミミズモンスター、ホードに攻撃されているのですが、すいすいとかわしながらです。
 後ろでは、エイルが一所懸命、細い腕でホードをたたいています。「えいっ、えいっ!」

Grill:「その子は?
spit:「ああ、新しいギルドのメンバー。エルちゃん。
Eir.「よ、よろしくお願いします。

 と、額に汗しながら。
 一所懸命、ホードをたたいています。

Grill:「が、がんがれ…
Eir.「す、すみません…

Grill:「まぁ、手伝える事は俺らにはないけど。
spit:「よわよわだからなー。
Eir.「ご、ごめんなさい…私のために…

eve:「さっきから、エルちゃん、謝ってばっかりだねー。
Grill:「いいのいのの。気にすんな。
irurur:「あんまり気にしてると、疲れますよ。
ita:「つか、相変わらず、スピはいつもこんな?
 と、茶蛇を探しながら、イタ。

spit:「ああ。

真実は時に残酷



Grill:「あんた冒険者失格!


ubu:「ただいまー、とりあえず、装備一式、買ってきましたよー。
eve:「あ、初心、早かったね。
ubu:「お金。
 ぴ。と、初心はスピットに手を出します。
spit:「出世払いで。

 二次職のスピットはそれ以上、出世しません。


同感
ita:「冒険者失格。

spit:「と、とりあえず、エルちゃん。がんばれー!
Eir.「は、はいっ!


 エイルは狩りを続けます。
 イタといるるに壁をしてもらいながら、次々と狩っていきます。
 初心もちょうどレベルがいいのか、近くでホードを中心に狩りをしています。イブはその息子を遠巻きに心配そうに見ていて、深雪嬢は壁の二人にヒール、エイルにブレスと、忙しめ。

やることないので


 遊んでるなよ!ふたり!!





 小一時間ばかりもたった頃でしょうか。

 帰宅した初心と入れ替わりに、ふらりとアブが姿を現しました。
Abd:「ちーす。
spit:「お、三色そろい踏み。
eve:「あ。
Abd:「あ。


irurur:「いや、その『あ』は、なに?
miyuki:「スピたんとのフリーンがバレたー!?
spit:「いや、ネェから。


Abd:「っと、そちらのお嬢さんは?
spit:「お前にはカンケーないやい!
miyuki:「子どもだー!?
Grill:「いや、しかもあるし。
Eir.「エイルともうします。新しく、Ragnarokの一員になりました。よろしくお願いいたします。
 と、ぺこり。
Abd:「おーおー。そうですか。あ、私、アブドゥーグといいます。何かわからないことや、スピに追いかけられたりしたら、私を頼ってくださって結構ですからね。


spit:eve:「ってゆぅか、マテ。妻子持ち。

 まったくです。


ita:「スピ、そろそろエルもレベル、いい頃だと思うけど?
spit:「お、そっか?

 イタに言われて、スピットはぽんと手を打ちました。

spit:「じゃ、人数もそろったことだし、エルちゃんの歓迎会といきますかー。

 スピットが言うと、皆、「おー」と拳を突き上げました。

miyuki:「どこイく?どこでイく?
eve:「あ、いや、深雪さん、発音が、そのー…
irurur:「あ、今気づいた。まともな武器がない…
ita:「まだエルはレベルがそれほどでもないから、その辺、考えてあげないと。
Abd:「って、アコさんの洗礼の地といったら、決まってますよ。ね、スピ。
Grill:「あー、あそこか…

Eir.「えーっと…何の話ですか?

spit:「決まってます。

 イブを除いた、スピットたちの声が、きっちりと重なりました。


「オークダンジョン、突貫死!!


Eir.「えええぇぇっ!?


eve:「ごめんね、Ragnarokのみんなの、洗礼みたいなモンだと思って、あきらめて…
Abd:「イブは転職直後にプロンテラ北ダンジョンに連れて行かれたから。

miyuki:「船がでるぞー!

 いつものかけ声とともに、深雪嬢がワープポタルを出しました。
 行き先はオークダンジョン。

spit:「とっつげきー!

 アークワンドを振るうスピットに、皆も続きました。




spit:「いっきまーす!

irurur:「いきなりかーい!
eve:「エルちゃん、ふせて!
Eir.「はいっ?


うっぷんばらし!

 って、いきなりやってます。


spit:「乙女を守れ!グリ!!
Grill:「はいな、ファイヤーウォール!!

 炎の壁が立ち上り、近づくオークスケルトンを一掃。

spit:「アブ、氷結!!
Abd:「了解、ストームガスト!!

 こちらは氷結範囲魔法、ストームガストをアブが唱えます。

ita:「ってか、火力ありすぎだ!
irurur:「相変わらず、3人は火力だけはありますねぇ…
miyuki:「死ぬまで戦えー!
eve:「突貫大好きだねぇ…


Abd:「フロストダイバ!!
spit:「ユピテルサンダー!!
Grill:「ソウルストライク!!

 三色マジの魔法が洞窟内に炸裂します。

Eir.「す、すご…
eve:「ちっちっち。もっとすごいのはこれから。
Eir.「えっ!?


Abd:「コールドボルト!
spit:「ライトニングボルト!
Grill:「ファイヤーボルト!

 三色ボルト魔法に、

spit:「12連弾!ソウルストライク!Lv9!!
Abd:「ソウルストライク!Lv5!!
Grill:「ソウルストライク!Lv7!!

 念魔法連弾。

spit:「そしてー…

Grill:「ファイヤーウォール!!
Abd:「ストームガスト!!
spit:「ロード・オブ・ウァーミリオン!!

 次から次へと、魔法が炸裂します。
 その様は、まさに魔法の祭典。


eve:「そろそろかな…

 ぽつりと、イブが言いました。
Eir.「なにがですか?
eve:「見てればわかるよ。

 そういって、にっこりとイブは笑いました。

Abd:「スピ!ストームガストで一気に凍らせます!ゼノーグどもを一掃しましょう!
spit:「おうよ!

 道の両端に、アブとスピットは分かれました。

 ゼノーグを引きつけるイタといるるを間に挟み、

Abd:「行きます!
spit:「エルちゃん!離れて!!
Eir.「は、はいっ。

 二人のウィザードは、アークワンドを構えます。

おや?スピットが…?



 おや?


Abd:「永久の時にも姿を変える事なき氷の力よ!我が前の敵を今、その力をもって撃ち滅ぼしたまえ!
spit:「アブ、たーいむ!

Abd:「ストームガスト!!

spit:「ってか…

お約束!

miyuki:「キター!!

ita:「って、アホかぁ!
irurur:「待ってました!!
Grill:「グッジョブ!

Abd:「そろそろじゃないかとは思ってましたが、まさか今とは…


eve:「ほらね。

 イブはけらけらと笑いました。

eve:「これが、ウィザード、スピット。
Eir.「あ…



eve:「またの名を、漏電雷魔導士、スピット。


 新しい仲間が増えたとしても、今日もスピットたちは、いつもと同じに、相も変わらずなのです。

spit:「10秒まて!

ita:irurur:「待てるかー!
miyuki:「死ぬまでたたかえー!


*1 『プロンテラベンチの仲間たち』は、日記中ではイブが書いた本とされてますが、実体はこのRO日記のこと。02年の冬のコミックマーケットで小数部だけ作られ、既刊誌などと一緒にセットで販売されたもの。ちなみに、ベータ2のラストまでが入っていて、CD-ROM1枚でした。
*2 ちなみに、本当に待ち合わせはこの前の日だったのですが、当日はプロンテラのサーバにつなげられず、二人とも会えなかったのでした。鯖キュンしすぎ。
*3 『街巡り 〜アルベルタ〜』参照のこと。まぁ、たしかにな。
*4 いくつかあるステータスのうち、どのステータスに特化しているかで、各職業のタイプが決まる。このInt特化型のアコライトというのは、支援型のアコライトの基本的なタイプ。ヒール等の回復魔法は強力だが、その分攻撃力や防御力がないので、レベルはあがりづらい。ちなみにアピはこのタイプ。他にもStrやVitに特化した殴りアコも存在する。
ぼろマント *5 実話。
 ぼろマントはモンスタードロップの、レアアイテム。防御力はスピットの言うようにマジシャン、ウィザードの装備できるマフラー(お店で買える)よりも弱い。その代わり、MDEF(魔法防御)があがるが、魔法攻撃をしてくるモンスターがいない今のRagnarokの世界では、あまり意味がない。マジシャン、ウィザードが唯一装備できるマントであるという点を除いて、170Kは割高。実際、今の相場はそんなにしないはず…
*6 火チェイン。チェインという武器に、火の属性をつけたもの。モンスターには属性があり、ホードは地属性。地属性は炎に弱い。よって火属性のついた火チェインだと、大ダメージを与えられる。ただし、属性武器はブラックスミスという二次職のプレイヤーキャラクターのみが作ることができ、しかも、属性をつけるのにはモンスタードロップアイテムの属性石が必要なので、属性武器は例外なく、高価である。ま、スピットは属性武器を使わないので、価格とかは本当に知りません。