aoiruka:「スピさん?
spit:「ん?
Leona:「なんでHPが真っ赤っかなの?
spit:「うむ。
デフォルトだから。
spit:「今日は、この街をちょっと、巡ってみようと思う。
Ahsgrimm:「この街?
spit:「そ。
spit:「実は、まともにこの街を歩き回ったことって、みんなもないだろ?
*1
スピットたちがいつもたまり場にしている、プロンテラベンチ。
これは、ルーンミドカツ王国の首都、プロンテラの宮前広場の隅にあります。
ミドカツ王国一の街、プロンテラ。
たくさんの冒険者たちがひしめく、この街。
ですが…
実は、この街を冒険したことのある冒険者というのは、意外と少ないのです。
それもそうです。
だって、ただの街だもん。
spit:「でも、もしかしたら、プロンテラにも冒険があるかもしれない!
Ahsgrimm:「…あるのか?
ebu:「まぁ、お師さま燃えてますし、巡ってみたら、何か見つかるかも知れませんよ。
spit:「
俺に弟子はいない。
ebu:「
Σ(TпT (まだ言ってる*2
spit:「とりあえず、行くぞー!!
さてさて。
この街に、スピットたちはいったいなにを見つけてくるのでしょう?
まずスピットたちが訪れたのは、ベンチから北へむかったところ。
プロンテラ城です。
Ahsgrimm:「城なんか来て、なにかあるのか?
spit:「
知らぬ。
Grill:「城なんか、いつも北に抜けるときに、通り抜けるだけだからなぁ…
Leona:「だねぇ。
プロンテラの街は、その構造上、北に抜けるには城の中を通らなければいけません。
通用路として使われる城というのは、
どうかと思いますが、まぁ、それだけプロンテラは平和という…
*3
ebu:「あ、下にいけるんですねー。
入ってすぐ左のところに階段をみつけたえぶが言いました。
意外と知られていない、プロンテラ城。
その地下には…!?
「今日の議題は、ポリンの進化について」
「やはり、ポリン、ドラップス、ポポリンと進化をして…」
「いや、ポポリン、ドラップスという学説が…」
「何故だ?」
「果物は、熟れて赤くなるから」
spit:「…
spit:「どうやら、
重大な会議中のようだ。
aoiruka:「すごい気になる…
*4
とりあえず、一行は一階へと戻りました。
spit:「ちょっと、広すぎるから、みんなで手分けして散策しよう。
と、スピットはおのおのにパーティ要請を出します。
ebu:「らじゃー!
Ahsgrimm:「よし、いくか、玲於奈。
Leona:「はーい。
Grill:「探索探索。
aoiruka:「何があるんでしょうねー。
と、それぞれが城内に散っていきます。
程なくして…
ebu:「たいちょー!
えぶからの電波です。
ebu:「牢屋を見つけましたー!
spit:「おぉっ!?
牢屋なんかあったんだ。
spit:「小さいなー。
Leona:「牢屋なのに、棚?
Ahsgrimm:「…スピ、面会にきたぞ。
spit:「
三゜□ ゜)!!
ebu:「お師さま、はやく帰ってきてください…
*5
さて、再び探索。
aoiruka:「ベッドルーム発見!
spit:「
ごぉー!!
ebu:「…お師さま?
Leona:「あれ?あおさん、スピさん、どこ?
spit:「こっちー。
ebu:「
いけません!玲於奈さん!!
危うし!?*6
spit:「のれなーい。
aoiruka:「ノレナーイ
spit:「こんなもんに、興味はネェ!!
すたすたすたと、スピットはベッドルームを後にしました。
ebu:「玲於奈さん!大丈夫ですかっ!?
Leona:「なんか、ノレナーイって?
ebu:「ほっ。
Leona:「泣くほど悲しいことだったんだろうか。
彼にとっては。*7
Ahsgrimm:「ふむ、玉座があるんだな。
spit:「ふむ。
漏電王
Grill:「あれ?こっちにも玉座があるよ?
spit:「え?そうなの?
spit:「王様はふたりいる!?
Leona:「ひとりは替え玉とか?
Ahsgrimm:「影武者か…
aoiruka:「王様に会ったことがないですが…
騎士なのに。*8
マテ!?
spit:「グラストヘイムに通じているかとー。
Ahsgrimm:「ないない。
ebu:「見て回ってきましたけど、右と左は同じような構造になっているんですね。
Grill:「みたいね。
aoiruka:「手抜きですか?
spit:「設計が手抜き。
Ahsgrimm:「いいのか、そんな事をいって…
spit:「
建築設計士が、な。
*9
さて、一行はプロンテラ城を後にします。
ebu:「次はどこですかー?
spit:「うーむ…
Ahsgrimm:「時計回りで回るか、反時計回りで回るかってとこか?
Leona:「だね。
今、スピットたちがいる城門前は、プロンテラの街の北を12時とすると、まさにその位置です。
さて、ここから…
spit:「反時計回り。
響きで。
Ahsgrimm:「つーと、次は11時のところにある…
騎士団こと、騎士ギルドです。
ebu:「お師さま〜!
と、突然、えぶがえぐえぐしながらスピットのぼろマントを引っ張りました。
spit:「この人、冷たいです!
と、びっと指さす先には、ひとりの兵士。
spit:「だれ?
aoiruka:「ペコペコ管理兵です。ペコペコを貸してくれるんです。
spit:「貸してくれ!
管理兵:「ペコペコは騎士専用の乗り物です。騎士以外の方にはお貸しできません。
Ahsgrimm:「専用だと!?
spit:Ahsgrimm:「だったら
3倍は速くしろ!!
マテ。*10
ebu:「貸してくれたっていいじゃないですかぁ〜!!
spit:「
!?
ebu:「アイスウォール!!
Grill:「ファイヤーウォール!!
spit:「何してんだー!?
管理兵:「こ、この小娘め…
管理兵は槍を持ち直しました。
しかし、小娘とはいえ、こちらは現役冒険者。
ebu:「へっぶぅーんず…
ebu:「どらいぶっ!!
管理兵:「ごは…
大地を割って現れた土の槍のアッパーカットに、管理兵の身体はふらりと…
spit:「逃げろー!!
さて、騎士団内部です。
ここはプロンテラ地下水道(通称下水
*11)の盗虫退治の受付、騎士への転職、そして騎士専用武器、クレイモアなどの販売をしている場所です。
それ以外には、特に何もなく…
spit:「ん?
ebu:「どうしました?お師さま。
Ahsgrimm:「なんかあったか?
spit:「下水の募集をしてる兵士のネームプレートを見ろ…
くだです、先生!!*12
さぁ、一行はなんだかいろいろ謎の多い騎士団を後にして、西門前を抜けて南へと進みます。
spit:「あれ?
途中、スピットがプロンテラ管轄の露天商人の前で止まりました。
spit:「肉商人?
ebu:「この人がどうかしましたか?
肉商人:「おぅ!肉買ってくか!!
がっしゃがっしゃ独特の肉切りバサミを鳴らしながら、肉商人はいいます。
spit:「
お肉マン…
Ahsgrimm:Grill:「
Σ( □ !!
肉商人:「ふ…
肉商人はにやりと口許を弛ませて笑いました。
肉商人:「
懐かしい名前だぜ…
spit:「いや、遠い目をされても…
肉商人:「よし!お前さんら、だいぶん古株の冒険者みたいだ。今日は気分がいいぜ!肉持ってきな!!
spit:「あ、ありがとう…
肉商人:「
ほらよ!
spit:「
化け物のエサかよ!?*13
さて、この辺りにはプロンテラ管轄の露天がいくつかあります。
ebu:「お師さま、野菜露天ですよー。
spit:「んー?
肉をかじりながら、一行は露天巡りです。
Grill:「非売品です。
spit:「じゃ、あなた…
Leona:「売り子さんにも手を触れないでください。
spit:「…
*14
Ahsgrimm:「魚屋なんか、あったんだなぁ。
Leona:「へー。
食べられるんですか?
ebu:「あとは…
えぶはにやり。
aoiruka:「役職名のせいだっ!!
ヽ(`д´)丿
なっとく。
Grill:「非売品です。
spit:「じゃ、あなた…
Leona:「売り子さんにも手を触れないでください。
spit:「…
野外露天広場を抜けて、プロンテラの8時方向。
spit:「…へー。
ebu:「いきましょー!
早速、中に入り、一行は左の部屋へ。
Grill:「染め物してくれるの?
ebu:「お忙しいようですが?
Leona:「未実装。
Ahsgrimm:「ともいう。
aoiruka:「いつ出来るようになるんですかねー。
spit:「ビゲン白髪…
違う。*15
右の部屋は…
ebu:「こちらは、婚礼用品売り場です。
Leona:「ブーケとか、ヴェールとか。
spit:「…高っ。
Ahsgrimm:「高いなぁ。
aoiruka:「ですねぇ…
Grill:「ぼったくり並だな…
ebu:「ご結婚の際には、
ちゃんとそろえましょう。
Leona:「
ですね。*16
spit:Ahsgrimm:Grill:aoiruka:「
ヽ(´ー`)ノ
ヽ(´ー`)ノ
ebu:「お師さまだって、いつか必要になる時がきますよー。
spit:「
来ません。
aoiruka:「即答…
spit:「グリムの方がむしろ…?
Ahsgrimm:「何故、俺に振る!?
Leona:「?
Grill:「あ、でも、えぶちゃんは時計台を通って、未来から来てんだよねぇ。ってことは、俺らの未来も…
ebu:「お師さまだって、
いつか必要になる時がきますよー。
spit:「
来ません。
aoiruka:「か、かたくな…
spit:「よーし、次いくぞー。
と、すたすた、スピットは歩き出します。
ebu:「ああっ、お師さま!!
Grill:「どっちにしても、スピには金がなさそうだ。
Ahsgrimm:「だな。
一行は南門前を通って、旧剣士ギルドへと向かいます。
プロンテラの目抜き通りを抜けて、その先です。
さて。
それでは中編へ。