宮前広場を抜けて、一行は目抜き通りを通って噴水広場へ向かいます。
そして噴水広場を東にはいると、そこが…
アルマ:「いらっしゃいませ〜。旅館、ネンカラスにようこそ。
Ahsgrimm:「PvP宿屋か。
*2
spit:「あれ?
スピットは小首を傾げます。
spit:「アルマさん?
ebu:「ですよ。
spit:「
セミさんは?
Grill:「だれ?
aoiruka:「だれですか?
spit:「セミさんはどこにいったんだ…
次回、
消えたセミさんを追え!!*3
うそです。
spit:「二階はどうなってんだっけ?
と、スピットたちは二階へと上がります。
spit:「あれ?こんな人いたっけ?
二階の一番奥の部屋を見て、スピットが言いました。
ebu:「課金後から、いますよ。
Leona:「スピさん、知らなかったの?
spit:「しらんなぁ…
Ahsgrimm:「スピ…
グリムは目を伏せて、言いました。
Ahsgrimm:「ジュースって自分で作ったことあるか?
spit:「
作れんの!?
みんな:「
Σ( ゜д ゜!!*4
Leona:「…えーと、肉を持ってここにくると…
Ahsgrimm:「いや、玲於奈、いい。スピ、そのモリスンっていう子の話を聞いてヤレ。
ハテナ?と首を傾げながら、スピットはモリスンという男の子に話しかけました。するとどうでしょう。
男の子はまるで
狂ったように「お肉が食べたい」というではありませんか。
spit:「えっ?えっ?
ebu:「お肉が食べたくて仕方がない子なのです。
Ahsgrimm:「で、この野菜嫌いな子に、いかにして野菜をとらせるかというと、ジュースがいちば…
spit:「うるせぇぞ
クソガキが!!
Ahsgrimm:「
Σ
spit:「もりもり食え!!
irurur:「ね、ねじ込んではいけません!!
aoiruka:「うわ…冒険者はニンジン、百単位でもってるからなぁ…
ebu:「お師さま!死んでしまいますっ!?
spit:「まゆみ嬢連れてくるぞ!? 別の穴からも
ねじ込むぞ!?
Ahsgrimm:「スピをひっばりだせ!ヤバイ!
Grill:「もちつけー!
Leona:「えっと、次はどこに?
aoiruka:「この宿屋の向かいに、酒場があります。そこにいきましょう。
spit:「穴という穴から、にんじん
ねじ込まれてぇか!?
Ahsgrimm:「それ以上しゃべるな!
ebu:「らぐなろくは、全年齢たいしょうです。
旅館、ネンカラスの南。
向かい側にあるのは、酒場です。
と、スピットたちが中にはいると、酒場の中にいた冒険者たちが、「おっ」と彼らを見ました。
*5
「こんばんわー。
「こんばんわ。
ebu:「こんばんわ〜。
Leona:「こんばんわ。
およ?とスピットは首を傾げます。
冒険者ですから、出会った人たちと挨拶をするのは、別段、不思議なことではありません。ありませんが…
「たくさんきたね〜。
と、笑った騎士さんは、どうにもスピットたちを知っているようでした。
spit:「うーん…
なんとか思い出そうと、頭をひねります。
ひねりますが、思い出せません。
女の子騎士さんなのに!?
ふと、グリムがいいました。
Ahsgrimm:「今日は、Kさんきてないか。
「けーさんは今日はきてないです。
Ahsgrimm:「だってさ。
ぽんっとスピットは手を打ちました。
spit:「そうか!
素晴らしい記憶力をしています。
spit:「Kさんたちのたまり場の酒場か。
軽く話しをし、スピット達は酒場を後にします。
spit:「そっか、ここになるのかー。
ふーんとスピットは酒場を見上げて口許を曲げました。
Ahsgrimm:「ついでに、クホホにも挨拶していく?
spit:「クホホ?
ebu:「ホルグレンさんですね。
aoiruka:「鍛冶屋です。
と、一行は噴水広場、5時方向にある鍛冶屋へと足を運びます。
ホルグレン:「よぉ、冒険者。おまえらも、武器か防具の精錬に来たのか?
spit:「
いや。
ホルグレン:「…何しに来たんだ。
spit:「
見学かな。
ホルグレン:「
帰れ!
spit:「オマエに鍛えてもらうような装備は
ねぇよ!!
aoiruka:「魔法士ですからねぇ…
*6
さて、鍛冶場の奥へと、スピットたちは勝手に入っていきます。
と、そこは…
spit:「お、なんか教室みたいだ。
スピットが「おお」とうなっていると、皆、そそくさそそくさと、椅子に座りました。
Ahsgrimm:「本日の講師は…
aoiruka:「えー…
spit:「わくわく。
aoiruka:「スピさんの近くにいくと…
aoiruka:「以上。
Ahsgrimm:「先生、それは静電気ではなく、普通の
電流です。
aoiruka:「無理でつ。スピさん、かわってください。
spit:「よーし…
さあ、我らがスピットが
教壇に立ちます!
spit:「
寝るな!
spit:「
食うな!
spit:「
隠れて寝るな!
spit:「
女子高生かっ!?
ebu:「
がっきゅーほーかい。
しかし、
すごいリアルですな。
*7
spit:「センセーはもう、こんなクラスは
イヤですっ!!
まぁ、
オチも付いたところで、
次回に続く。
さて、鍛冶場の逆側。
こちらも同じような教室になっていました。
irurur:「むむ。
と、壁際にあるボードを見つけたいるるが、てくてくとそこに向かって歩いていきました。
ちょっと
技。*8
spit:「お、俺もやるー!
と、スピットはいいると変わってもらいました。
spit:「おお!
と、スピットがそこに立ったときでした。
ebu:「
お師さまカード!
aoiruka:「噂の
スピットカード!
irurur:「効果は?
決まってます。
spit:「オイ。
spit:「かなり、
マテ。
こんなこんなで、一行は、鍛冶屋を後にしました。
spit:「次は…図書館か?
Ahsgrimm:「東図書館から行くか。
プロンテラには、図書館があります。
蔵書の数は明らかにされていませんし、その本を借りる事も出来ませんが、一応、東と西に、ふたつの図書館があり、東図書館、西図書館と呼ばれています。
ebu:「始めてきました。
Grill:「俺もだ。
spit:「そうだ、東図書館といえば…
Leona:「なんですか?
spit:「え?
ebu:「お師さま…
Ahsgrimm:「スキル発動。
spit:「シャレだ、シャレ。
Grill:「洒落と書いて、ほんきと読める。
irurur:「ここは被害が大きくなる前に、後ろからざくっと。
spit:「彼女は東図書館のアイドル、エレンちゃん。
ebu:「こんにちわー。
えぶがお辞儀をすると、エレンちゃんもちょっと苦笑気味に、ぺこりと頭を下げました。
spit:「エレンちゃんには、ファンクラブもあるとか、ないとか。
*9
Grill:「
マジで!?
spit:「抜け駆けなんかしたら、殺されちゃうよ。
スピットは帽子を押さえて笑いました。
Leona:「…っていうか。
玲於奈さんは言いました。
Leona:「
返事ないですねー。
ナンパ師は言うことが違う。
spit:「明朝Wisで。
Ahsgrimm:「
好条件にではなくて?
Leona:「貢ぐ額、提示しておいたら?
irurur:「出)xxxZeny 好条件にWis。
spit:「バカな!?
まぁ、当然、Wisは
きやしませんでしたが。
*10
spit:「よし、西図書館にいくぞー。
こちらは西図書館。
spit:「…
ebu:「ですねぇ。
aoiruka:「これは…エレンちゃんのお父さんですかね。
Ahsgrimm:「まぁ、是非エレンちゃんの話の後、みんなにも聞いてもらいたいもんだ…
spit:「だな。
spit:「オッサン、ちょっと図書館の中、見させてもらうな。
と、スピット。「あまり騒がしくするなよ?」と言われますが、
無理でしょう。
とりあえず、図書館を一行はうろうろとします。
Leona:「窓が付いているのに、本棚も…
変な突っ込みは
やめてください。*11
ebu:「上の方の本がとれない…
spit:「あおさん、ペコに乗って、とって。
aoiruka:「…ペコ、本たべちゃだめだよ?
Ahsgrimm:「っていうか、ペットいいのか?
irurur:「秘密扉とかありそう…
ebu:「本を抜くと中にレバーがあったりとか。
Grill:「なんかこのアングル、みんなで本を探しているみたいだね。
spit:「あぁ、見えなくもない。
Leona:「…
Leona:「
忘れ物して立たされてるように見えたのあたしだけ?
Grill:「立たされてるなら…
Grill:「こう。
学園編、スタート!
グリム先生と、あおいるか先生はかんかんです。
spit:「やってません。
irurur:「宿題があったことを忘れました。
もんだいじの、スピットくんといるるくんです。
aoiruka:「まったく、委員長の玲於奈くんまで忘れるとは。
あおいるか先生はいいます。
Grill:「(委員長なんだ…
Leona:「バケツくだちゃい。
ebu:「装飾用頭バケツ、実装希望。
Ahsgrimm:「何を訳のわからん事を言っているんだ、お前たちは!
aoiruka:「何を笑っているか!スピットー!!
spit:「せんせい、リアルに笑いをこらえられません。
Ahsgrimm:「最近…
グリムせんせいがいいました。
Ahsgrimm:「お前たちの素行は、すこぶる悪い。
spit:「ぼくはなにも、悪いことはしていません。
Ahsgrimm:「ほう…
spit:「してません。
(きっぱり
aoiruka:「Σ
aoiruka:「証拠写真が、163行前に!!
*12
spit:「
見えません。
spit:「
チクられた!?
Ahsgrimm:「いや。
グリムせんせいは目を伏せていいました。
Ahsgrimm:「連帯責任だ。
全員正座。
spit:「あ。
Grill:「あぐらだし。
irurur:「うーむ…
Grill:「腕組んでるし。
ebu:「玲於奈さんも足崩してますが。
Leona:「正座は足が太くなる…
Ahsgrimm:「
開き直りか!ヽ( `Д´)ノ
spit:「ふんっ。
ebu:「いやぁ〜。
spit:「噴水前ですかぁー。
aoiruka:「いや。
あおいるかせんせいは、ふんっとハナをならしていいました。
aoiruka:「
ゲフェからフェイ。
spit:「げ!
aoiruka:「10往復。
さすが、
らぐなろく学園の校庭です!*13
Ahsgrimm:「いるか先生の後ろに縄付けて引っ張ってやるぞ!
irurur:「俺はにげる…
Ahsgrimm:「クローキングダッシュは不可だ。
Grill:「…サイト。
irurur:「なにっ!?
*14
spit:「せんせい、
もうしません!
なんと、
あのスピットくんが!
安っ。
aoiruka:「食べちゃったら終わりダナァ。
Ahsgrimm:「しかも一本かよ。
いるるくん!?
aoiruka:「よし、ちょっと罰を与えないといけないようだな…
と、あおいるかせんせいはペコペコを降りました。
aoiruka:「あ。
ebu:「い?
irurur:「う?
Ahsgrimm:「え?
aoiruka:「しまった!
aoiruka:「
ブランディッシュスピアが使えない!?*15
spit:「チャンスだ!
(ぼりぼりぼり
Grill:「食ったー!?
aoiruka:「待ちなさい!
Ahsgrimm:「逃がすなー!
次回、らぐなろく学園 第3話!
続きません!
spit:「っと、この下にはネンカラスの西館があるんだっけ?
と、スピット。
aoiruka:「ですね。
と、一行はネンカラス西館へと向かいます。
spit:「なにっ!?
spit:「
セミさん、こっちに!?
なんと、そのカウンターにたっていたのは、以前は東館にいたはずの、セミさんではありませんか!
ebu:「あ、セミさんだー。
近くにいた剣士さんが、教えてくれました。
「ベータ2で入れ替わりましたよ。
spit:「
まったく知らなかった。
そんなわけで、
消えたセミさんを追え!!も、無事
終了。*16
さて、一行はプロンテラベンチへと舞い戻ってきました。
ebu:「思ったより、面白かったです。
aoiruka:「ですねぇ。
Ahsgrimm:「意外と知らないところも多かったな。
irurur:「図書館が面白すぎた。
Leona:「あれは、やっていたことが。
Grill:「しかし、プロンテラって、広いなー。
スピットはちょいと帽子をなおします。
そして笑って、言いました。
spit:「まぁ、冒険なんざ、どこにでも転がっていると。
今日もプロンテラの空は澄んだ青色でした。
aoiruka:「俺はペコ借りて、戻ります。
Grill:「一稼ぎして来ようかな。
ebu:「あ、ご一緒しますよー。
Ahsgrimm:「うちらも一稼ぎしてくるか。
Leona:「そうしよっか。
irurur:「さーて、買い物でもしてくるかー。
やがて、ベンチ前から、それぞれの姿が消えました。
spit:「…にんじん、いも、青ジェム〜。
と、鼻歌交じりに買い込んだ物をチェックしながら、てくてくとスピットが歩いています。
spit:「赤ポ高いのしかなかったなぁ…16zとか、誰かまたやんねぇかなぁ。
*17
てくてく。
ジュースの作り方をグリムに教えてもらい、早速作ったリンゴジュースを飲みながら、彼がベンチ前を通りがかると…
spit:「
ブッ!!
スピットは口の中に入っていたリンゴジュースを吹き出しました。
「キタナイですねぇ。
と、そのノービスの女の子は苦笑しました。
spit:「ウィータ!?
スピットはそのノービスの女の子の名前を言いました。
そして、目を丸くしたまま続けます。
spit:「っていうか、なんでノービスに戻ってんだよ…お前、アーチャーじゃなかったのか?
uxi-ta:「あー。
と、そのノービスの女の子は苦笑しながらいいました。
uxi-ta:「課金後、冒険者申請をずーっとしないでいたので、一から出直そうかなぁと。
笑うウィータに、スピットも苦笑します。
spit:「…どれくらいぶりだ?
uxi-ta:「さぁ?
小首を傾げ、彼女は笑います。
uxi-ta:「一年ぶりくらいでしょうか?
spit:「かな。
口許を曲げて、スピットは帽子に手をかけました。ちょいとその位置を直す彼に、彼女は笑いながら言います。
uxi-ta:「それ、まだかぶってるんですねぇ。
spit:「おおよ、俺はずっとこいつをかぶってるぜ。
uxi-ta:「しかも、ベンチにきたら、やっぱり逢えましたし。
spit:「おおよ、俺はプロンテラベンチの、リーダーだからな。
笑います。
ウィータも軽く、笑います。
uxi-ta:「じゃ、ちょっと、フェイヨンまで行ってきます。
spit:「また、アーチャー?
聞くスピットに、ウィータはちょっと考えるようなそぶりを見せて、聞きました。
uxi-ta:「プロンテラベンチには、今はアーチャーもいらっしゃるのですか?
spit:「…イブとカルピンがいるけど、別に。
ちょいと帽子を直し、
spit:「いつでも、歓迎するよ。
言いました。
uxi-ta:「じゃ、行ってきます。
spit:「おぅ。
「そだ」
ふと立ち止まったウィータが、振り返りながら彼に向かって聞きました。
「世界の果てには、たどり着けました?」
「…いや」
ちょいと薄汚れた帽子に手をかけ、スピットは笑いました。
「今日は、プロンテラの街を巡っていたくらいさ」
やがて、彼女の背中が噴水広場の方の人垣に消えて、見えなくなりました。
「誰ですか?」
と、かけられた声に、スピットはぎょっと目を見開きました。振り返るとそこには、赤い髪のプリーストの姿。
「アピ!?」
アピはスピットの向こうを覗き込むようにして身を乗り出しながら、聞きます。
「今のノービスの女の子は、誰です?」
「あ…う…ぅ…」
「…またナンパ?」
「違うっ!!断じて、違う!!」
「…いえ、別に私には関係ないんですけどね」
「アイツは、昔のパーティメンバー!」
「そうなんですか?」
「そうなのだ!」
「お義兄さんに聞いてみますよ?」
む、とスピットを見るアピに、スピットははぁとため息を吐きました。
「聞いてもシラネェよ」
そして帽子に手をかけ、言います。
「俺が、まだこの帽子をかぶってねぇ頃の話だからな」
「そのうち話してやるよ」
と、スピットは帽子をなおして歩き出します。「アピ、冒険出るなら、どっかいくか?」「うーん…そうですねぇ」
アピは少し首を傾げて、ちょっと考えるようなそぶりを見せながら言いました。
「なんか、はぐらかされたような気もしますけど」
「そのうち、話してやるって」
帽子で顔を隠すようにして、スピットは笑いました。
そう。それはまた、別のお話なのです。
*18