studio Odyssey



戦わなければ…




狙われるへっぽこ
spit:「あぶねっ。

Ridgel:「おしいー。


 と、ベンチ前に戻ってきたスピットたち。

 いつもの談笑モードに入りそうになったところを、スピットが止めました。*1


spit:「そうそう、死神を背負った人がいたんだ。


死神を背負った男


 死神!?


Ridgel:「なんと…


Ridgel:甘美な響き!?


 そうか?


putiLeona:「モロクで大人気だとか…

 と、いつの間にやら玲於奈と入れ替わったぷちが言います。

spit:「ほぅ…
Ridgel:「モロクですか…




行きますっ

spit:Ridgel:「いざ、モロク!!



 背負いたいのか、オマエら!?



戦わなければ…


 さて、そんなわけで一行は砂の町、モロクへとやってきました。


spit:「おおおっ!?

発見



spit:「最先端ファッション!!


 それは違う。


spit:「いいなー。
Ridgel:「いいなー。

 と、スピットとリジェルさんは二人のプリーストを指をくわえてみています。

uxi-ta:「どうやってなったのか、聞いてみればいいのに…
 というウィータの台詞に、
putiLeona:「どうすれば、それがくっつくのですか?

 ぷちが聞くと、プリーストの男性が教えてくれました。

「PvPで、目玉焼きカード差し武器に殴られて、呪い状態でログアウトすれば、なります。


spit:Ridgel:よし、PvP行くぞ。


 即断即決、即実行。


 スピットとリジェルさんは、喜び勇んで、モロクのPvP宿屋へと走っていきます。*2

uxi-ta:「って、急いでいっても、目玉焼きカード差し武器なんて持ってる人が、どこにいるのか…

 目玉焼きとは、白蓮玉という目玉焼きのようなモンスターの通称です。これが落とすカード、通称、目玉焼きカードには、一定の確率で相手に呪いをかける効果があります。つまり、その一定の確率にヒットして、呪いがかかれば…


spit:「死神を背負った漢に!!

Ridgel:「格好いいですな!スピットさんッ!!


spit:おうよ!!



 そして一行は、プロンテラPvPフィールドへと、突撃します。




即死






 即。


spit:「レックスディビーナかけられたー!?*3

Ridgel:「はじめて凍ったー!?*4


uxi-ta:「PvPきても、死んじゃうんじゃ、意味ないじゃん。

putiLeona:「なんとなく、わかっていた気もする…

 結局、PvPでぼこぼこにされたスピット、リジェルさんの二人は、しかたなく(?)泣きながらベンチへと戻ったのでした。


spit:「へんっ!死神なんか背負わなくたって、俺は、神から授けられた運命を背負う男だっ!悔しくなんか、ないもんねっ!!


uxi-ta:putiLeona:へー。

spit:ごめんなさい…


再びベンチ


 さて、再びベンチに戻ってきたところで、ぷちとお別れ。

 ベンチに戻ってきていたドミさん、遊びに来ていたシルさん。

 そして…


 レアキャラ、ラバを捕獲して、一行は次はどこへ行こうかと話していました。*5


uxi-ta:「そういえば…

 ウィータがぽつりと言いました。

uxi-ta:「さっき通りがかりに聞いたんだけど、プロンテラ城内に、アリスが出るらしいね。


spit:アリスー!?

 スピットが目を丸くするのと同時に、ドミさんが言います。


Domi:「リジェルさん、出番です!!*6

Ridgel:「馬鹿な!?

 シルさんが小首を傾げて聞いていました。

Sylphienne:「何故です?

 スピットとウィータとドミさんが、同時に返しました。


spit:uxi-ta:Domi:メイド泣かせのリジェル!!



Ridgel:馬鹿なー!?



 いや、周知。*7


spit:uxi-ta:Domi:いざ、城へ!!


 止められるものなど、いるわけもなく…


 一行は勇んで、城内に。
 と、そこにはシンティスの姿。

shintisu:「あれ?スピット。
spit:「おお、シン。
shintisu:「どうしたんだ?こんなところで。


spit:「アリスを虐めにきた!


Sylphienne:「い、虐めにですか…


spit:uxi-ta:Domi:リジェルさんが。



Ridgel:「私がー!?


 驚愕しているリジェルさんをそのままに、シンは城内入ってすぐ左の階段脇を指さしました。


shintisu:「アリスなら、そこに。


spit:「ナンデスト!?

城内にて




 しかし、既に騎士さんが交戦中。


uxi-ta:「なんてひどいことを!?

 ウィータが言いました。

uxi-ta:「掃除しているだけのメイドに、なんてことを!?
spit:「…そうなのか?

Domi:「まるで、リジェルさんのようだ…
spit:「ああ、なるほど…


Ridgel:「だから、なんで私がやり玉に!?


spit:「胸に手を当ててみれば?

Ridgel:「…ひどい。*8


 と、その戦いを見ていたラバが、ぽつりと言いました。

勝利

luvas:「なぁ…


luvas:あれ、強いの?


spit:Ridgel:目的変更。




spit:Ridgel:ショボアサ vs メイド!!


 なんか、世紀の対戦っぽい響きですねっ。


luvas:「うーし…

 あんまり事態を把握していないラバを引き連れ、スピット達は目の前の階段を下りました。
spit:「およ?

 階段を下りて、スピットは階段脇で雑談していたパーティを見、目を丸くしました。

spit:「あれ?ラインセルさん。

Linecell:「あれ?スピットさん。

 ラインセルさんは、プリースト、風花ちゃんのお友達です。以前に一緒にコモドへ突貫したこともある、顔見知りの騎士さんでした。
 シンが、「ああ」と頷いて、言いました。

shintisu:「ここ、風ちゃんたちのたまり場なんだ。
spit:「あ、そーなんだ。*9

 へぇと、スピットは帽子をなおしながら、ラインセルさんの周りにいたパーティらしき人たちに挨拶をしました。
Linecell:「城にくるなんて、珍しいですね?

 ラインセルさんの最もな質問に、スピットはにやりと笑いました。
 リジェルさんが言います。

Ridgel:「アリス観察隊です。
shintisu:「そして、ラバ氏が、タイマンするとのこと。

Linecell:「へー。

いい仲間だな、ヲイ


Linecell:死!?


Domi:「まー、死は確実でしょうな。

Sylphienne:「そ、その物言いはあんまりのような…

Ridgel:「勝つという線はなしか…
luvas:「なんでよ。


spit:「いや…


お約束ってヤツで




 その線、濃厚。


Linecell:「ま、まぁ…

 ラインセルさんは笑いながら言いました。


Linecell:「アリスはこの部屋にも、30分で沸きますから、待ってればでますよ。


spit:「んじゃー、お話しながら、待ちます。

 よいしょとスピットは部屋の中央に座り込みました。
 それじゃあと、他のみんなもスピットの隣に、何故か並び出しました。
spit:「何故並ぶ。
uxi-ta:「なんとなく。

Linecell:「これは、我々に対する挑戦…?

 ラインセルさんの仲間たちが、対面に並びだしました…




彼女がみたものは!?

何故、並ぶ!?
fu-ka:「並んでる!?

spit:「あ、風ちゃん、ちわー。

fu-ka:「なぜ、並んでいるのですか?

Linecell:「…なんとなく?

fu-ka:「じゃあ、並ぼう。
Ridgel:「(何故って突っ込んでも、ダメなんだろうなぁ…


eve:「では…

 と、いつの間にかやってきたイブが両の列を見て言いました。

そうなの!?





spit:よし!


Ridgel:「『よし!』なのか!?

Sylphienne:「殺し合うんですか!?


luvas:「そういうイベント?



spit:「売られた喧嘩を買うまでよ!!


 誰も、売ってはいませんが。

 立ち上がるやいなや、スピットは魔法を唱えました。


spit:「食らえ!ロードオブヴァーミリオン!!


ノリノリですな






spit:「なにッ!?

 その瞬間でした。



 スピットは爆発の中で、彼女の姿を見たのでした。



spit:馬鹿な!?


あ…


 スピットの魔法、ロードオブヴァーミリオンは、風魔法最上位に位置するだけの事はあって、強力です。
 その魔法は、唱え、発動した後、数秒に渡り爆発を繰り返して、範囲内の敵にダメージを与えます。


 つまり、発動中に敵が出てくると、敵がダメージを受けて、スピットを攻撃してくるのです。


誰も認めざるを得ません…





 さすがは、神から授けられた運命を背負う男。




 お約束のよくわかった、神ですが。




ちんだのです


spit:「どういうことだ…


それをいっちゃあ…




 神の力のなせる業です。


spit:「しかし、ラバ対アリスの一戦が見られなかったなぁ…

あまりにも、あまりにもなタイミングだったもので…




 ええ、まったく。


Farmei:「あれ?

 ちょうどスピットのLoV誤爆のタイミングでここにやって来た華ちゃんが、小首を傾げながら言いました。

Farmei:「アリスと戦う回なんですか?
spit:「うむ…紆余曲折を経て、そんな感じ。


Farmei:「アリスなら、ゲフェンで、いっぱい出ているようですけど…



spit:Ridgel:ソレダ!!*10





spit:「華ちゃん、ポター!!

Farmei:「危険なゲフェ?

spit:「いや、普通にゲフェン…

「いくよー。
 と、アコライトの女の子が、ワープポータルを唱えました。
 しゅんっと、城内に光の柱が立ち上ります。


spit:「よしっ!

 マントを翻してちょいと帽子をなおしながら、スピットは言いました。

行きます!!


 目指すは、ゲフェン。


 グラストヘイムから首都に向かう魔物たちの進軍経路へと、スピット達は飛び込んでいったのでした。



*1 騎士の武器、ツーハンドソードは、地面に落とすと刺さる。ちょっと格好いい。そんなわけで、カーニバルイベント第3弾。
*2 PvP。Player vs Player。プレイヤー同士が戦える限られたフィールド。各街の宿屋から行ける。
*3 沈黙の魔法。魔法が使えなくなる。
*4 フロストダイバで凍ると、動けなくなる。
*5 ゲストより登場しない、レア。
*6 詳しくは、「ありすいんぐらすとへいむ!」参照。
*7 メディアの力は怖い…
*8 あの回は本当は前面に押し出そうとしたところは、あそこじゃなかったんだが…リジェルさんにも、見せ場のシーンがあったのに…誰も覚えていないとかいうな。
*9 ラインセルさんや、風ちゃんについては、「天下無双の冒険者たち!」あたりを参照。
*10 カーニバルイベント中は、モンスターの配置が特別だったのです。