studio Odyssey



強いぞ!?第二世代たち!!





 びゅんっという風を切る音に、ルキノは「お?」と首を傾げました。

 ここはアルデバラン。
 その中心にたつ、巨大な時計塔の、3階です。

 そしてまた、「ひゅん!」

打たれるrukino


rukino:「…


 ひゅん。
 ひゅんっ。



rukino:「ファイヤーウォール!!



 からんという乾いた音が響いた後には、業火の立ち上る音だけが響いていました。*1


強いぞ!?第二世代たち!!


 今日も地道に、ルキノは時計塔3階でレベル上げです。


 地道かどうがはともかくそんなルキノに電波が届きました。*2



ubu:「うい。


rukino:むい。



 挨拶らしいです。


ubu:「どこにいる?
rukino:「相変わらずに、時計。
ubu:「まだ組める?
rukino:「あー、組めるけど…あがってしま…


レベルアップー



 あげてるし。


ubu:「もう組めない?

 苦笑しながら聞く初心に、ルキノは軽く返しました。

rukino:「うそ。まだ組める。
ubu:「いくわ。
rukino:「うい。

 そんなこんなで、初心はプロンテラからアルデバラン行きのポタを探すことにしたようです。*3
 レベルのあがったルキノは、能力上昇をしようとして、ふと、気づきました。

rukino:「おぉぉ!?
ubu:「どした?

極振りなら、Lv67


 スピット、なむ。*4



 ほどなくして、初心が時計塔にやってきました。

殴るわけではありません



ubu:「殴るのか…
rukino:「あー、私は殴らないけどなー。


 死ぬしね。


 てくてくと時計塔3階を歩き回り、アラームを見つけて…


打つべし打つべし!

rukino:「ファイヤーウォール!!
ubu:「ブラギの詩!!

rukino:「ファイヤーボルト!!

 ずずんっと、アラームが崩れ落ちます。

rukino:「thx。
ubu:「np。



 なんか、連携プレーしてます!?*5


rukino:「でも、DSのが速いね。*6
ubu:「そんな気がするね。

倒しまくる!


 さくさくと二人は狩りを続けます。

rukino:「時計の人たちも、覚えてきたなー。
ubu:「そんなに篭もってるのかよ…


 なんて話しながら、とりあえず30分ばかり狩って、ルキノのアイテム重量がオーバーしたので、いったん休憩です。

 二人は時計塔の外に出て、ちょっと休憩。
 そして再び、時計塔に入ります。


 3階目指して、とことこ2階を歩いていたときのこと。

 カビこと、パンクをファイヤーウォールで焼くと、ぽろりと、カビの粉というアイテムをドロップしました。ルキノはそれを拾い上げ言います。

カビの粉、500個目

ubu:500!?

rukino:「うん。時計塔にくるようになってから、収集品、全部倉庫に集めてるんだ。
ubu:「おー。

 一財産ですな。*7


マテ







 どこのべと神ですか。



 そんなこんなで3階にやってきた二人は、再びアラーム狩りです。

ちゃくちゃくと成長



ubu:「あと9?

rukino:「あと、9%でジョブがあがる。
ubu:「おー。


DSはFWに対して、この位置から打ちましょう

ubu:「がんがん狩るべぇ。
rukino:「むい。


 二人は時計塔3階を、ところ狭しと駆け回りながら、アラームを倒していきます。


段差の向こう

ubu:「届かないからって…
 ひゅん!
rukino:「あいた!?
ubu:「ほら、他のところから来た。
rukino:「むきー!!


さくさくあがります


ubu:「あがるなぁ…

rukino:「強いぞ、私っ。

実際は、結構狩ってますけどね



ubu:「あと、5,6匹かな?

でも、それでも結構速いかも…



 そして、どんどこアラームを狩り…

あと少し…


ubu:「1匹で、いくつ?
rukino:「0.3かな?あと、残り0.5だから…

 話している間に、アラームを一体倒して…



同時に…


 次であがる…


 しかもなんとJob50です。


rukino:「どきどきどき…
ubu:「Jobカンストか…すごいな…




ubu:「まぁ、でも、その前に…







マテ




rukino:なんだってー!?



 むしろ…


さすがだ…


 それが、なんだってー!?



ubu:「ホントに死んじゃった。


rukino、叫ぶ




 >はい


 二人はセーブポイントの時計塔前に戻ります。
 ヒールクリップの力でHPを回復させ、座りながら、SPの回復を待ちます。

時計塔前カプラにて




 実は、心臓ばくばく。


rukino:「と…トイレに行って来る…
ubu:「おちついてら〜。

 アルデバランのカプラ本社のトイレを借りて、ルキノは再び時計塔前へ。
 そして、初心の前にすとんと座ります。

どきどき、rukino

ubu:「落ち着いたかえ?

ため息、初心


ubu:「深呼吸。

rukino:「すーはー…すーはー…



 Job50というのは、jobレベルの最大です。

 一次職は本来、Jobレベル40で、二次職に転職できます。
 なので、多くの冒険者たちはこのレベルで転職します。

 もっとも、マジシャンやアコライトなど、Jobレベルとともに魔法を覚えていく職業の冒険者たちは、出来る限りJobレベルをあげて転職しますが、Jobレベルは47を越えたあたりからとてもあがりにくくなるため、50カンストはなかなかに茨の道なのでした。*8

ラストトライアル!!


rukino:「ういむい。


 初心の言葉に、すっくとルキノは立ち上がります。

rukino:「いくかっ!

 と、意気込んで言ったルキノを、初心は座ったまま見上げ、言います。

最後は自分の力?


rukino:「んにゃ。どっちでもいーよ。
ubu:「お決め。


 Jobカンストは、冒険者たちの中でも、少なくはありませんが、決して多くはありません。

 初心はそれをわかって、言います。


ubu:「せっかくのカンストだしね。
rukino:「うーん…


 ルキノは首をひねりました。
 ここまでたどり着くのに、それはそれはたくさんの事がありました。

 同じ時計塔前。
 アルデバランの水路を、ぼーっと座って眺めていた頃。

 あの頃から、どれだけの月日がたって、今、ここにいるかわかりません。
rukino:「うーん…

 ルキノは言いました。

突撃だ!


ubu:「いってら。

rukino:「ちょいとまってろい。


デスペナ分なんか、すぐだ!


 そしてルキノは単身、時計塔3階へと駆け上っていきました。

 火魔法と水魔法を駆使して、先ほど死んでしまった分の経験値を取り戻し、いっきにあと一匹というところまで上り詰めます。

さくっとね

 パーティメンバーだけに届く声で、ルキノは言います。

 と、唯一のパーティメンバー、初心の声が帰ってきます。


ubu:「おちついてやれば、すぐだぞー。
rukino:「おうよ。


 と、通路をおれた時でした。

rukino:「むぉ!?

 突然、通路の向こうにいたアラームが、ルキノに向かって襲いかかってきました。

 とっさ、ファイヤーウォールを唱え、ルキノは飛び退きます。素早く杖を握り直し、通路の向こうを見ると、冒険者が倒れています。

 どうやら、アラームの強腕の前に、そのアサシンは破れてしまったらしく…ルキノは素早く、ファイヤーボルトを唱えました。

 降り注ぐ炎の矢。
 続けざま、振り向き、アラームを止めていたファイヤーウォールに魔法の炎を継ぎ足します。自分の今の魔法力なら、このファイヤーウォールをおいた後、もう一発ボルトを打ち込めば…

rukino:「負けるか!!ファイヤーウォ…


…


rukino:あれ?


 がしゃん。
 アラームが崩れ落ちる音が、響きました。



rukino:「あああぁぁ!?


 ルキノは叫びました。





rukino:SS撮れなかったー!?



ubu:なむ。


rukino:「うわああぁぁん!マヂかー!?
ubu:「なむーだねぇ…


 ルキノが最後に狩ったアラームは、すでに手負いだったのでした。
 そのため、いつもの調子で魔法を唱えていたルキノは、思ったよりもはやくアラームを倒してしまい…



rukino:「うおおおぉ!?経験値減ってもいいから、もっかいやらせてくれえぇぇ!?




 カンストの瞬間、撮れず。


rukino:「うわああぁぁぁん。
ubu:「なーむー…*9







 さて、時計塔前にルキノは戻ってきました。

ついに、カンスト!!



rukino:「おおー、ついにJob50か!?


カンストすると、メーター消えます
rukino:「ああぁ、メーターが消えてるよ…
ubu:「あ、そうなん?
rukino:「はぢめて見た…

 感慨にふけるルキノを苦笑して見つめながら、初心は言います。*10

ubu:「んじゃ、戻るかね?
rukino:「ん。

 ふんっと鼻を鳴らし、ルキノ。



rukino:凱旋だッ!!



rukino:「時計塔前カプラさん!お世話になった!!私は、プロに帰るよ!!*11
ubu:「ゲフェンから、プロ?
 よいしょと立ち上がり初心。
ubu:「それとも、ポタでも探す?



rukino:歩く。

歩いて帰る
 きっぱりはっきり、ルキノは言いました。


ubu:「そりゃまた、面倒くさい…

 と、初心は言いましたが、てくてく歩き出したルキノに、仕方なく初心もついていきます。




 アルデバランからプロンテラへの道のりは、それほど遠いものではありません。

 歩いても、そう遠いということはない距離ですが、アルデバランの時計塔前なら、探せばワープポータルもあったでしょう。でも、ルキノは歩いて帰るつもりだったのでした。それはもう、ずーっと前から、そう決めていたのでした。

 アルデバランの南。
 てくてく歩くルキノに、カマキリ型のモンスター、マンティスが襲いかかってきます。

rukino:「ファイヤーウォール!!

 ばんっと立ち上る炎の壁。
 マンティスはその炎の壁の中で、一瞬にしてかき消えたのでした。

そりゃ、アラームに比べれば…

ubu:「火壁、1枚かよ…

 てくてく歩く、初心が苦笑します。

ubu:「いそぐべ。今の時間なら、ベンチに誰かいるかもだし…
rukino:「ん…


 初心の後ろに続きながら、ぽつり、ルキノは言いました。


くわしくはEP2.0、「緑と赤の不思議な関係」を参照


 ミストレスマップを抜け、プロンテラまで後少し…

Mage/Wizの聖地?


 赤芋こと、アルギオペの生息する、なかなかレベルの高いマップです。

 ここも、そういえば一時期、ずーっとルキノは篭もっていたものでした。


rukino:「なつかしいなぁ…


 つぶやくルキノの耳に、初心の声が届きます。

ubu:「アルギオペ1、アルゴス3!!

rukino:「アルギオペかー…


前から後ろから


ubu:「げ!? 騎士が飛んだ!?

rukino:「追加オーダー入りまーす。


 そして…




お片づけ終了



ubu:「…つよ!?

rukino:「…痛くない。

ubu:「父さんたちなんて、まだ赤芋狩りなのに…
rukino:「ほむ…


こ…これが新型というものか…



 恐るべし、第二世代!?



 目指すは、プロンテラ!!



rukino:「はぅあ!?
ubu:「ルキノ!?





弱点は毒


rukino:「毒はやめて〜。

ubu:「HPは低いのね…*12








勝って、兜の緒を締めよ


rukino:「減る経験値もないしな!!

ubu:「あ、それもそうか。


 二人は一路、プロンテラに向かって歩きます。


懐かしい音楽だー

 赤芋峠を越え、プロンテラ北。

 ここからなら、北門を通ってプロンテラに入るという手もありますが、道が入り組んでいるのと、ギルド砦もあるので、二人はいつもの通りに、西門へと回り込みます。

プロンテラが見えてきた…


ubu:「凱旋だねー。
rukino:「さー、私を迎え入れよ!プロンテラよー!!

 そして西門。


そして、ついに帰ってきた!

 見慣れていたはずの、懐かしい西門をくぐり抜けながら、ルキノは言いました。


rukino:「凱旋!
ubu:「おうよ!!




 そして、ふたりはいつもの場所を目指します。
 彼女はそして、その頭の上の帽子をひょいと取って、言うのです。

「うぉーい、へっぽこ魔導士!いるかーっ!!」



「もー、こんな帽子、いるかー!!」

 と、笑いながら。*13


*1 そんなわけで、今回はrukinoです。最近、出番多いなー。
*2 時計塔3階は地道とは言わない…
*3 前回、初心が転職しましたが、実は、rukinoは時計で初心と公平パーティを組んで狩りをしていたのです。なので、初心のレベルアップはとてつもなく速かったのです…
*4 rukinoは、実はint極振り。spitは振り直しを経験しているくせに、実は珍ステ。intは補正なしで91。
*5 thx=さんくす。np=のーぷろぶれむ。
*6 DS。ダブルストレイフィング。矢を2発撃って、敵に大ダメージ。でも矢は減らない。謎。
*7 なんとなく集めた。どんくらいの量だったかは、今日の小ネタ。
*8 47越えると、ホントにあがらなくなってくる…
*9 急いでPrintScreenキーを押したのですが…間に合わず…
*10 実は、一次職、二次職通して、Job50になったのは、rukinoが初。
*11 ずーっと時計セーブだった。
*12 毒をほっといたら死んだ…
*13 そんなわけで、rukinoがついにJob50達成。次は、転職だー!!という感じなのですが、実はまだ何になるか決まってなくて、スキルポイントも余っていたり…で、次回はrukino転職ではなく、TriceさんがSageに転職!?
 ついにジュノーに、プロベン突撃!!
**今日の小ネタ
 みよ、この量を!!
弓
アイテム