spit:「えー、そんなわけで、今、俺の手の中には、一通の手紙があります。
と、スピット。
ベンチにやってきて、皆に向かって言います。
Ridgel:「ラブレターですか?
putiLeona:「おぢちゃんには縁のない話だね。
mimihime:「…呪いの手紙ですか?
makie:「丑の刻とか。
ebu:「お師さまが捨てた女性が…
spit:「おまえら、いっぺん
死んでこい。
Kagetsuki:「まぁ、それで、誰からです?
Sylphienne:「どのような内容なのでしょう?
spit:「うむー。
と、スピットはその手紙を広げて、読み始めました。「ルキノからの手紙だ」
Ridgel:「ああ、娘ですか。
Trice:「(ぽん
spit:「not娘っ!!
手紙の内容は、こうでした。
rukino:『前略、緑おぢちゃん。
ヒルクリないとやっぱむりなので、返しません。
っていうか、もともと私のだし。
さて、私は今、ジュノーにきています。Sageに転職するためです。
緑おぢちゃんやみんなはWizのがいいよーと言うかもしれないけれど、
ここはひとつ、あのスキルのために、
Sageを目指したいと思います。』
makie:「あぶらだ…
Sylphienne:「あぶらですか…
*2
Trice:「ルキノさんも、セージになるのですね。
Ridgel:「というより、どうやってたどり着いたのだろう…
ebu:「ルキノちゃんは、すでにお師さまより強いので…
putiLeona:「ぽん。
rukino:『さて、そんなわけで、Sage転職のために、アカデミーに入学しました。
もっとも、筆記試験はさんざんで、アカデミーの近くの予想問題屋さんの力を借りたのは、内緒。
「次の中でプラコンを落とさないのは?」
1.プパ 2.ペコペコの卵 3.サベージベベ 4.子デザートウルフ
全部落とすのは、どうすればいいでしょう?
「ロングコートを装備できない職業は?」
1.剣士 2.商人 3.シーフ 4.マジシャン
シーフと剣士が装備できなかったと思いますけど、違います?』
Ridgel:「
すげぇ、セージ。
makie:「それは、カンニングと…
putiLeona:「ルキノ、お馬鹿さんだからねー。
*3
rukino:『とりあえず、筆記試験を通り、実技を受けました。
写真は、実技試験の様子です。
無理。*4
rukino:『ともかく、FWをなんとかだして、ひっかけて突破。
無事、入学を果たし、論文作成です。
論文は、Triceくんのやった「属性研究」になりました。
そこで…
論文作成のために必要なアイテムを、ジュノーに届けて欲しいのです。
とりあえず、「石 30個」がいるそうです。
何に使うか知りませんけど。
どーか、どーか、この、ふつつかな娘に、お力添えをお願いするのです。
かしこ』
Ridgel:「つまり、要約すると、デリバリーサービスということですね。
あるのか?
yuuki:「こんばんわー。
と、そこへやってきたのは、悠祈です。
yuuki:「何か面白いことでも?
spit:「
かくかくしかじか。
Ridgel:「と、言うことで、ジュノーに石を30個届けるわけです。
Trice:「すごい説明だ…
yuuki:「…
yuuki:「アサシンもシーフもいないのに、
どうやって石を?
spit:Ridgel:「…
spit:Ridgel:「
しぃまったああぁぁ!?
石、というアイテムは、アサシンかシーフの持つ、「石拾い」というスキルで手に入れることが出来ます。そのスキルであれば、30個程度、簡単に手に入れることが出来ますが、それ以外の手段となると…
ebu:「コモドの強いゴーレムが落としますよ?
遠回りな!?
Ridgel:「それは言える。
spit:「と、言うわけで…
spit:「
いけ、ぷち。
putiLeona:「
あーさーしーん!
あっという間に、
画面外!?
素で驚く奴ら。
どんな病気だ…
yuuki:「パパ、いい教育してますね…
Ridgel:「放任主義はまずかったかなぁ…
ほどなくして…
つれてきた。
kenon:「初めまして、kenonともうします。よろしくお願いします。
spit:「いやぁ、こちらこそ、『これ』がご迷惑を…
putiLeona:「『これ』っていうな。
kenon:「スピさん本物で、ちょっと感動…
spit:「
ベンチ知ってる人か!?
Ridgel:「世界は狭いですねぇ。
*5
そんなこんなで、ぷちがナンパしてきたkenonさんをパーティに加え、純製造ブラックスミスの悠祈をベンチに残し、変わりに零等を加入。
さらに、プリーストがあまりにも少ないので、えぶにアピを呼び出してもらい、それなりに長旅出来そうなパーティを組んで、いざ、目指すはジュノー。
appi:「今日は、姉と一緒に出かける予定だったのですが…
spit:「放置だ、放置。俺がアブにいっとく。
Ridgel:「直接、イブさんに言うわけではないのですね…
spit:「鞭でたたかれるのはいやだ…
ところがここで、ちょっと問題。
appi:「あれ、スピさん、PTが1パーティでは、収まりません。
spit:「2の4の…あ、ホントだ。リジェルさん、PT作って、そっちよろしくー。
Ridgel:「では…
急遽、リジェルさんをパーティリーダーに、もう1パーティ。
その名も…
makie:「チェンジ!!
spit:「ゲッターかよ!?
*6
Ridgel:「いやぁ…
どこのマンジンガーですか。
ともあれ、目指すはジュノー。
当然です。
赤芋峠の入り口で、
そんなことを言われても、気にもとめず、一行が目指すはアルデバランのさらに北、賢者の街、ジュノー。
しかし…
まさか、あんな事が起こるとは、このとき一行の誰もが、夢にも思っていなかったのでした。
赤芋峠の北のマップ。
ここには、マンティスというカマキリ型のモンスターが多く生息しますが、誰もこのマップを、マンティスマップとは言いません。
そう、ここはボスモンスター、ミストレスが、1時間に1回、出現するマップ。
ミストレスマップなのです!!
そんな、とてつもなく強い、ボスモンスター、ミストレス。
し、
死体!?
appi:「起きますか?
と、アピが聞くと、そのモンクさんは言いました。
「に…
「
西に行きました…
spit:「なんだってー!?
駆け出すまで、0.3秒。
セイフティーウォール張っただけで
終了。
mimihime:「うわー、ジャイアントホーネットがー、ミストレスがー!?
*7
appi:「みみ姫さん、がんばってくださいー。
生き残ったの、
プリーストのみ。
spit:「い、いかん!!
スピットは電波に向かって、叫びました。
spit:「出番だー!!
Ridgel:「何をしているのですかー!!
切り込んできたのは、
「真プロンテラベンチ!!」
まさに、
最終回で助けに来るノリ!!
Ridgel:「しまった!!
Ridgel:「やはり、
グレートにしておくべきだったか!!*8
ともあれ。
飛び込んできて、ジャイアントホーネットごと、ミストレスをリジェルさんはボーリングバッシュではじきます。
騎士の強烈な一撃に、ジャイアントホーネットはばったばったと倒されていきますが、ミストレスは牙をむいて攻撃を続けます。
Ridgel:「む!! ぷち、今のみなさんを復活させなさい!!
putiLeona:「おこすよー。
と、ぷちはイグドラシルの葉で、プリーストたちをよみがえらせます。
それを肩越しに見ながら、ぽつりと、リジェルさん。
Ridgel:「たぶん、私は
勝てません。
spit:「何を言う、真プロベンのリーダーよ!!
Ridgel:「はっ!?
appi:「スピさん、起こしまーす。
アピのリザレクションでよみがえるやいなや、スピットは帽子を直して、杖を振るいました。
spit:「
死んでも、倒す!!
Ridgel:「シニタクナイナァ…
putiLeona:「死んでもよみがえるー。
appi:「みなさん、起こしますよー。
spit:「死にたくないやつは、下がってなッ!!
鞄の中から、スピットはブルージェムストーンをつかめるだけつかむと、一気にセイフティーウォールを唱えました。
立ち上る光の柱が、プリーストたちの身体を包みます。
それに続いて、トライスさんもセイフティーウォールでプリーストたちを守ります。
Ridgel:「下がっていいですか?
spit:「ダメです。
しかし、相手はボスキャラ、ミストレス。
次々と前衛たちに襲いかかり、なぎ倒していきます。
しかも、それだけではありません。
spit:「!?
スピットは、自分に向かって、ミストレスが何かを唱えたのに気づきました。
そしてそれは、自分もよく知る魔法でした。
セイフティウォールの力で、スピットに物理攻撃は通じません。しかし、魔法は別です。そしてミストレスが唱えた魔法は…
Ridgel:「ああっ!? スピさんが、風魔法で破れるとは!?
spit:「ユピテルサンダーだとう!?
それは風の単一目標に対しての最強魔法、ユピテルサンダーです。
spit:「こいつ、こんな魔法使うのか!?
appi:「起こしまーす。
spit:「したらば、俺だってなぁー!!
Ridgel:「おあ!?
ミストレスと対峙していたリジェルさんに、ミストレスがユピテルサンダーを放ちました。
Ridgel:「騎士に魔法はやめてくれー。
mimihime:「りざれくしょーん!!
spit:「ってー、俺の方キター!?
素早くスピットは構え直し、「ユピテル…」
Ridgel:「おのれ、こんにゃろー!!
appi:「りざれくしょーん。
spit:「おのれ!ゆぴて…
ミストレスの強さの前に翻弄される一行です。
*9
spit:「仕方がない、体制を立て直す!!
Ridgel:「て、てったい?
spit:「
まさか。
Ridgel:「ですよね〜。
スピットは言いました。
spit:「すまんが、ベンチメンバーはリジェルさんの支援を中心に、ミストレスに当たらない人は、近寄ってくるマンティスなり、赤芋なりを集中的に攻撃!!
*10
Ridgel:「勝てるかなぁ…
spit:「負けぬ!! ミストレスをあまり動かすな!! 被害が広がるだけだ!!
Ridgel:「大魔法で、どーんと出来ないので?
spit:「リジェルさんが見えなくなると、プリがヒールかけにくくなるし…
appi:「そもそも、ミストレスは風なので、スピさんの魔法はあまり…
Ridgel:「うわーん。
spit:「SSで、ちくちくと…
*11
spit:「…
Ridgel:「沈黙!?
reira:「リジェさん、がんがれ〜。
Sylphienne:「がんばってくださいー。
Trice:「リジェル、がんばー。
Ridgel:「シルさんはともかく、トライスは魔法が!?
Trice:「殴りに期待されても…
Ridgel:「パパの最後の雄姿を、しっかりとみるんだ、ぷちー!!
spit:「いやいやいや、死なれたら、俺が死ぬ。
そんなこんなの戦いを、10分近くも続けていると、ぞろぞろと人が集まってきます。
集まってきた人たちの中には、戦うベンチのみんなを見て、声援を送る人もいましたし、「殴ってもいいですか?」とか、魔法士の中には「撃ってもいいですか?」と聞く人もいました。
spit:Ridgel:「
ぜひ。
appi:「基本的に、Ragnarok Onlineでは、他人の攻撃しているモンスターを攻撃してはいけないことになっていますが、MVPボスと言われる、大ボスに関しては、共闘が自由になっています。
putiLeona:「ミストレスは、MVPぼすー。
appi:「なので、この戦闘に関しては、共闘は自由です。それに、ボスはレアアイテムを落としたりするので、とりあいっこになって、他人をけ落としてまで戦う人も出てきてしまったりする現状ですが…今回は、ベンチのみんながモンクさんを倒したミストレスを見つけて、取り囲んでいたので、このように質問されたようです。
putiLeona:「MVPは、ダメージをたくさん受けた人とか、ダメージをたくさん与えた人にもらえるのです。
spit:「…
Ridgel:「…
spit:Ridgel:「もう、
シンダシナァ…
appi:「死ぬと、権利はキャンセルされます。
*12
spit:「そんなわけで、みんな撃てー!!
Ridgel:「ぐっは!?
一瞬の隙に、リジェルさんがミストレスのユピテルサンダーを食らって、吹き飛ばされてしまいました。
その間、0.6秒。
Ridgel:「ま、まずい…戦線が乱れた!?
mimihime:「わー!?こっち来るー!?
spit:「まて、ミストレス!!
Ridgel:「これ以上の蹂躙は、この騎士、リジェルが許さぬ!!
Sylphienne:「蹂躙されまくってる気も…
と、そのときでした。
spit:「!?
ぼこぼこぐらぐらと、ミストレスの足下の地面が揺れました。
それは地魔法、クァグマイア。敵の攻撃速度と回避速度を下げる、ウィザード魔法です。
spit:「やっと、Wizキター!?
叫ぶスピットに、その女Wizさんは「?」と首を傾げました。
そうです。
今まで、魔法士はいましたが、ウィザードが攻撃に参加したのは、スピット以外には、
この人が初だったのでした。
*13
スピットはそのウィザードの動きに素早く視線を走らせます。
クァグマイアに続いて、アーススパイク、ヘブンズドライブ…風属性のミストレスに対して、有効な魔法を、そのウィザードは次々と唱えていきます。
spit:「ああぁ、やっと地魔法来たよ…
地の攻撃魔法が使えるのは、ウィザードのみです。
まぁ、
例外もいますが。*14
そして…
「ストーム…
spit:「!?
聞こえた魔法に、思わずスピットは素早く反応して、杖を振り上げました。
彼女の呪文の詠唱速度を見て、タイミングを計ります。考えるよりも先に、スピットも彼女の詠唱に続きました。
「ストームガスト!!
spit:「ロードオブヴァーミリオン!!
Ridgel:「即席、合体魔法!?
spit:「…あ。
spit:「そーいえば、ミストレスは風4だから、そもそも凍らないし、風は-50%のような…
Ridgel:「意味がないッ!?
spit:「癖って怖いなぁ。
appi:「ですねぇ。
Ridgel:「いつまで続くんだー!!
*15
戦い続けます。
力の限りに、気合いのみで、押しまくります。
周りのみんなを巻き込んで、皆、ミストレスをたおさんと、戦います。
しかし、なかなか勝負がつきません。それもそのはず…
spit:「自ヒールは卑怯だー!!
Ridgel:「それは、終わらないよなぁ…
reira:「しかも、自分でニュマするんですよ…
makie:「なので、ハンターもあまり役に立たないのです…まぁ、お茶でも…
kenon:「ああ、これはどうも。
Sylphienne:「粗茶ですが。
*16
そして、延々と戦いは続き…
なんと、
実に30分。
spit:「…つかれた。
Ridgel:「…満身創痍ですな。
そして一行は、アルデバランにて、一休みとすることにしました。
spit:「そういえば…
ベンチに座って一息ついたスピットが、ぽつりと言いました。
appi:「はい?
spit:「そもそもの目的って、
なんだっけ?
Ridgel:「
忘れました。
アルデバランの空の下、一行はぼーっと、しばし戦いの疲れを癒していました。
と、そこへやってきたのはグリムと玲於奈。
Ahsgrimm:「よー、まだアルデバランにいたのか。
spit:「まだ?
と、それから、まゆみ嬢に、リビアン、ハヤテさんもアルデバランにやってきて…
mayumi:「スピたん、まだジュノーついてなかったのかー。
spit:「ジュノー?
ribbean:「いや、もう、ルキノ転職してしまったかと…
"hayate":「よかったよかった、間に合った。
spit:「ああ…
spit:「そういえば、
そんな話だったような。
appi:「と、いうことで、後編に続きます。
Ridgel:「もう、今回はミストレスだけで、おなかいっぱいですしね…
spit:「もうちょっと休憩してからにしよう…
*17