studio Odyssey



命がけの鬼ごっこ!





 今日も今日とて、ベンチ。

 集まったみんなで無駄話に華を咲かせていると…

makie:「よし、鬼ごっこしましょう。

 と、唐突に槇恵さんが言ったのでした。

spit:「鬼ごっこ?
makie:「そう。




makie:プロ北Dで。


 ずいぶんハイレベルな鬼ごっこだな!?*1


spit:「まぁ、やるならやるで、景品でも出さないと、やる気がでねぇか。

 つぶやき、スピットはへっぽこに命じます。

spit:「なんか、テキトーな景品だせ。
heppoko:「テキトーなものですか…

 へっぽこはカートをごそごそ。「では、これで」

商品は、時価300K


 景品いいぞ!?*2


heppoko:「すていぬちゃんが、天津で拾ってきたので、どーぞ。


spit:「よし、あとはルールだな。
makie:「ルールは、鬼がハットを被って、スキルで攻撃して捕まえるのです。
spit:「ふむふむ。
makie:「捕まった人は鬼になって、ハットを被ります。最終的に、制限時間生き残るか、捕まらなかった人が勝ちということで。

spit:「よし、へっぽこ。ハットをくばれ。
heppoko:「たくさんありますよー。

spit:「よし…


盛大に、鬼ごっこ開始



spit:「鬼ごっこ、開始!!



 はてさて、どうなることやら…



命がけの鬼ごっこ!


まぁ、わかっていた事というか…



 早速迷子。


spit:「3層の行き方が、わからねぇぇぇぇぇぇ!?*3


 うろうろと、スピットは歩き回ります。
 っていうか、いつの間にかみんなともはぐれて、大変です。

spit:「お。

 移動した先に、林檎がいました。

ringo:「お、スピさんだー。
spit:「おお、林檎、よかった。

 心底ほっとして、スピットは言いました。

第一声がそれか!?



ringo:イヤだ!?



 はっきりきっぱりです。


spit:「つーかよ…

 スピットは帽子を直そうとして、そこに手を伸ばしたものの、そう言えば帽子はなかったと、手持ちぶさたに頭を掻きながら言いました。

spit:「この先の道に、チョコが2匹いてよ。通れないんだよ。
ringo:「OKOK。

 ふたりはこくりとうなずきあって、その先に飛び込みます。

spit:「いくぜー!!


いないし!!



 ヨクアルヨクアル。*4


spit:「こっちの道かなー。

 てくてく、スピットは進みます。
 と、その道もまたランダムワープだったようで、ついてきていたはずの林檎がやってきません。

spit:「あ、あれ…?


ちーん



 っていうか、そこにいたのか。*5




 しばらく後に助けにやってきたのは、ベルベットでした。

Velvet:「何で死んでますか…
spit:「やぁ、ベルベット。





spit:初登場だけどな。


Velvet:「ああぁ、言われてみれば、初登場な気がする!?
spit:「背景にとけ込む一般市民では出ていた気もするが…

 ともあれ、ベルベットの案内で3層を目指します。



はやっ





 さくっと。



 奥へと続く橋の前で、みんなが待っていました。

spit:「次回以降は、場所を考えような。
makie:「迷子になっていたのは、ほんの一部ですが。

 主にどっかの魔導師ですが。


 ともあれ、一行は鬼ごっこのルールを再確認です。

この橋の先が…(略

spit:「まず、鬼は林檎から始める。

ringo:「鬼だー。

makie:「鬼は、ハットを被っているのが、鬼です。スキルを使ってターゲットしたら、捕獲とします。鬼に捕まった人は、鬼になって、捕まえる組に回ります。制限時間、逃げ切られたら、逃げ切った人の勝ちで商品ゲット。全員捕まえたら、鬼の勝ちで、鬼に商品がいきます。


spit:「テレポ、ハエは5回まで。


makie:「では、突入、1分後に開始します。

 「はーい」とみんなが答えます。


 そして、プロンテラ北ダンジョンを舞台に、盛大な鬼ごっこが始まったのでした。






もうか!?



 はやすぎ。


ringo:「スピさん、捕獲ー。
spit:「開始、1分も経ってないよ!?


 ぎゃーぎゃーとスピットがわめいていると、ぶーんという羽音が聞こえてきて…

ちーん




 鬼にもなれず!!


 スピットを倒したハンターフライは、そのまま林檎を攻撃します。
 が、林檎はハエの羽をつかって、しゅんっとどこかに消えたのでした。

spit:「林檎ー!?
ringo:「コワイコワイ…


spit:「俺ついてねー!?







aoiruka:「大変な事に気づきました。

 あおさんが、パーティみんなに聞こえる声で言いました。

ringo:「はい、いるかくん!


aoiruka:鬼よりMobが怖い。

keigo:「ですなぁ。
Velvet:「堪えきれずに、ハエ5回使っちゃいました…
makie:「誰か、助けてー。


 どうやら…


 根本的に何かが間違っていたようです!!


spit:「おーい、誰かー。

 と、こちら死体のスピット。






死体放置




ringo:「えー。


spit:「ごめんなさい、助けてください。マジで。




 制限時間を待たずに、ばったばったと倒れていくベンチ一行。

 鬼チームは相手が死んでいようがいまいが、次々と捕まえていきます。
 しかし、ここで大変な事が起こったのでした。



aoiruka:「(ドウシヨウ…


spit:「?

 あおさんがつぶやくようにして言いました。

aoiruka:「死んだ。
ringo:「チャンス!!

 なんと鬼チーム、この時すでにあおさんを残すのみとなっていたのです。

ringo:「あおさんを捕まえれば、勝ちだ!!



aoiruka:「…










aoiruka:BAPに殺された…



ringo:行けるかー!!



 プロンテラ北ダンジョンのボス、BAPこと、バフォメット。

 このモンスターは倒されてから1時間後にしか現れる事のないボスキャラですが、運がいいのか悪いのか。
 その時間にぴったしカンカンなベンチ一行です。

ringo:「よし、鬼チームの戦力を集結だー。
spit:「おこしてー…
ringo:「そんでもって、全員であおさんを捕まえにいく!!
makie:「BAPに挑むのですか?


ringo:あおさんを捕まえるだけ。


aoiruka:「(´・ω・`)


 ともあれ。

やっと生き返るspit




 スピットもやっとこ起こしてもらって、あおさんを捕まえるため、一行はBAPのいるマップを目指します。




MilliaDream:「…っていうか。


HP減ってる減ってる!?


spit:「ええ、必死ですよ。

 行くだけで必死。


 というより、いろんな意味で必死。


MilliaDream:「大変そうだね。(爽



spit:マテ。


 はてさて、あおさんがいるマップを目指す一行ですが、このプロ北ダンジョンのワープポイントは、まれにランダムに飛ばされてしまうワープポイントが存在します。
 そうです。

 ランダムワープに入ってしまうと、簡単にはぐれてしまうのです。







はずさない男だ…




 はい、お約束。



ringo:「何故はぐれますか、あなたは。
spit:「ワープポイントに文句を言ってくれ。


 仕方なく、スピットは手近なワープポイントに手当たり次第に入ってみる事にします。
 運が良ければ、合流でき…



よくよく、はずさない男だ…



 目的地。



aoiruka:「店長、死体1体、追加オーダーはいりまーす。
spit:「ヨクアルヨクアル。

ringo:「スピさん死んだー!?



 ミイラ取りがなんとか。



 しかし、ここで事態は急展開。

 なんと、鬼チームの方もモンハウ*6に遭遇し、壊滅寸前の大ピンチに陥ってしまったのです!

ringo:「ああ…生きてるってすばらしい…
Velvet:「イグ、もうないんだよなぁ…
MilliaDream:「一回、プロに戻って、また来るかー。

 電波でみんなの声が聞こえてきます。

spit:「うぬぬぬ…

 スピットはそれを耳にして、電波で叫びました。





今こそ、活躍の時だ!



suteinu:「きゅっぴーん。

 と、こちらベンチ。

heppoko:「どうしました?
suteinu:「ご主人さまが呼んでいます!どうやら、危険が大ピンチの様子!!

 すっくと支援プリースト、すていぬは立ち上がり、駆け出しました。

suteinu:「今行きますよ、ご主人さまー!!

パーティリーダーはspitなので、位置はわからないが、勘で救出だー


 プロに戻っていた夢さんと合流し、一路、すていぬはプロ北ダンジョンを目指します。

 支援プリーストのふたりがたどり着けば、みんな起こせますし、救出だって、おちゃのこサイサイです。


suteinu:「ご主人さまー!!
spit:「はやくこい、いぬ!!

suteinu:「もう、ばっちりです!任せてくださいですよ!!





…


suteinu:今日の任務完了。*7


spit:「お前に期待した俺が馬鹿だったよ…






 そんなこんなで、制限時間オーバー。


ringo:「あああああぁぁぁぁ!? 捕まえられなかったー!!


aoiruka:「か、勝ったのかー!?
makie:「微妙…




spit:「俺は死んでる時間の方が長かったな…



 命がけの鬼ごっこは終了したのでした。



suteinu:「ご主人さま、リベンジですよー!!
spit:「いや、もう終わったから…
suteinu:「ああッ、セーブが天津!?


*1 プロ北Dこと、プロンテラ北ダンジョンは、高レベルダンジョン。
*2 名射手のりんご。矢の刺さったりんごのグラフィックなので、通称、矢りんご。Dexが上がる頭装備で、結構いいもの。
*3 プロ北Dはワープポイントが変な風に繋がっていて、迷宮のようになっている。
*4 行き先がランダムに決定されるワープポイントもある。
*5 こげ茶のサルがその「チョコ」 中ボス。それなりに強いが、1匹ならどうという事はない程度。
*6 モンハウ。モンスターの溜まっているところ。プロ北Dは構造上、モンハウが出来やすい。
*7 プロンテラの北門を出たところ。なにやら、大規模テロがあったらしく、死体がごろごろ。

**後日談
景品授与

結局、あおさんは死んでいたので、林檎が勝者という事で、矢林檎をもらったのでした。