今日も今日とて、ベンチ。
集まったみんなで無駄話に華を咲かせていると…
makie:「よし、鬼ごっこしましょう。
と、唐突に槇恵さんが言ったのでした。
spit:「鬼ごっこ?
makie:「そう。
makie:「
プロ北Dで。
ずいぶんハイレベルな鬼ごっこだな!?*1
spit:「まぁ、やるならやるで、景品でも出さないと、やる気がでねぇか。
つぶやき、スピットはへっぽこに命じます。
spit:「なんか、テキトーな景品だせ。
heppoko:「テキトーなものですか…
へっぽこはカートをごそごそ。「では、これで」
景品いいぞ!?*2
heppoko:「すていぬちゃんが、天津で拾ってきたので、どーぞ。
spit:「よし、あとはルールだな。
makie:「ルールは、鬼がハットを被って、スキルで攻撃して捕まえるのです。
spit:「ふむふむ。
makie:「捕まった人は鬼になって、ハットを被ります。最終的に、制限時間生き残るか、捕まらなかった人が勝ちということで。
spit:「よし、へっぽこ。ハットをくばれ。
heppoko:「たくさんありますよー。
spit:「よし…
spit:「鬼ごっこ、開始!!
はてさて、どうなることやら…
早速迷子。
spit:「3層の行き方が、わからねぇぇぇぇぇぇ!?
*3
うろうろと、スピットは歩き回ります。
っていうか、いつの間にかみんなともはぐれて、大変です。
spit:「お。
移動した先に、林檎がいました。
ringo:「お、スピさんだー。
spit:「おお、林檎、よかった。
心底ほっとして、スピットは言いました。
ringo:「
イヤだ!?
はっきりきっぱりです。
spit:「つーかよ…
スピットは帽子を直そうとして、そこに手を伸ばしたものの、そう言えば帽子はなかったと、手持ちぶさたに頭を掻きながら言いました。
spit:「この先の道に、チョコが2匹いてよ。通れないんだよ。
ringo:「OKOK。
ふたりはこくりとうなずきあって、その先に飛び込みます。
spit:「いくぜー!!
ヨクアルヨクアル。*4
spit:「こっちの道かなー。
てくてく、スピットは進みます。
と、その道もまたランダムワープだったようで、ついてきていたはずの林檎がやってきません。
spit:「あ、あれ…?
っていうか、そこにいたのか。*5
しばらく後に助けにやってきたのは、ベルベットでした。
Velvet:「何で死んでますか…
spit:「やぁ、ベルベット。
spit:「
初登場だけどな。
Velvet:「ああぁ、言われてみれば、初登場な気がする!?
spit:「背景にとけ込む一般市民では出ていた気もするが…
ともあれ、ベルベットの案内で3層を目指します。
さくっと。
奥へと続く橋の前で、みんなが待っていました。
spit:「次回以降は、場所を考えような。
makie:「迷子になっていたのは、ほんの一部ですが。
主にどっかの魔導師ですが。
ともあれ、一行は鬼ごっこのルールを再確認です。
spit:「まず、鬼は林檎から始める。
ringo:「鬼だー。
makie:「鬼は、ハットを被っているのが、鬼です。スキルを使ってターゲットしたら、捕獲とします。鬼に捕まった人は、鬼になって、捕まえる組に回ります。制限時間、逃げ切られたら、逃げ切った人の勝ちで商品ゲット。全員捕まえたら、鬼の勝ちで、鬼に商品がいきます。
spit:「テレポ、ハエは5回まで。
makie:「では、突入、1分後に開始します。
「はーい」とみんなが答えます。
そして、プロンテラ北ダンジョンを舞台に、盛大な鬼ごっこが始まったのでした。
はやすぎ。
ringo:「スピさん、捕獲ー。
spit:「開始、1分も経ってないよ!?
ぎゃーぎゃーとスピットがわめいていると、ぶーんという羽音が聞こえてきて…
鬼にもなれず!!
スピットを倒したハンターフライは、そのまま林檎を攻撃します。
が、林檎はハエの羽をつかって、しゅんっとどこかに消えたのでした。
spit:「林檎ー!?
ringo:「コワイコワイ…
spit:「俺ついてねー!?
aoiruka:「大変な事に気づきました。
あおさんが、パーティみんなに聞こえる声で言いました。
ringo:「はい、いるかくん!
aoiruka:「
鬼よりMobが怖い。
keigo:「ですなぁ。
Velvet:「堪えきれずに、ハエ5回使っちゃいました…
makie:「誰か、助けてー。
どうやら…
根本的に何かが間違っていたようです!!
spit:「おーい、誰かー。
と、こちら死体のスピット。
ringo:「えー。
spit:「ごめんなさい、助けてください。マジで。
制限時間を待たずに、ばったばったと倒れていくベンチ一行。
鬼チームは相手が死んでいようがいまいが、次々と捕まえていきます。
しかし、ここで大変な事が起こったのでした。
aoiruka:「(ドウシヨウ…
spit:「?
あおさんがつぶやくようにして言いました。
aoiruka:「死んだ。
ringo:「チャンス!!
なんと鬼チーム、この時すでにあおさんを残すのみとなっていたのです。
ringo:「あおさんを捕まえれば、勝ちだ!!
aoiruka:「…
aoiruka:「
BAPに殺された…
ringo:「
行けるかー!!
プロンテラ北ダンジョンのボス、BAPこと、バフォメット。
このモンスターは倒されてから1時間後にしか現れる事のないボスキャラですが、運がいいのか悪いのか。
その時間にぴったしカンカンなベンチ一行です。
ringo:「よし、鬼チームの戦力を集結だー。
spit:「おこしてー…
ringo:「そんでもって、全員であおさんを捕まえにいく!!
makie:「BAPに挑むのですか?
ringo:「
あおさんを捕まえるだけ。
aoiruka:「(´・ω・`)
ともあれ。
スピットもやっとこ起こしてもらって、あおさんを捕まえるため、一行はBAPのいるマップを目指します。
MilliaDream:「…っていうか。
spit:「ええ、必死ですよ。
行くだけで必死。
というより、いろんな意味で
必死。
MilliaDream:「大変そうだね。(爽
spit:「
マテ。
はてさて、あおさんがいるマップを目指す一行ですが、このプロ北ダンジョンのワープポイントは、まれにランダムに飛ばされてしまうワープポイントが存在します。
そうです。
ランダムワープに入ってしまうと、簡単にはぐれてしまうのです。
はい、お約束。
ringo:「何故はぐれますか、あなたは。
spit:「ワープポイントに文句を言ってくれ。
仕方なく、スピットは手近なワープポイントに手当たり次第に入ってみる事にします。
運が良ければ、合流でき…
目的地。
aoiruka:「店長、死体1体、追加オーダーはいりまーす。
spit:「ヨクアルヨクアル。
ringo:「スピさん死んだー!?
ミイラ取りがなんとか。
しかし、ここで事態は急展開。
なんと、鬼チームの方もモンハウ
*6に遭遇し、壊滅寸前の大ピンチに陥ってしまったのです!
ringo:「ああ…生きてるってすばらしい…
Velvet:「イグ、もうないんだよなぁ…
MilliaDream:「一回、プロに戻って、また来るかー。
電波でみんなの声が聞こえてきます。
spit:「うぬぬぬ…
スピットはそれを耳にして、電波で叫びました。
suteinu:「きゅっぴーん。
と、こちらベンチ。
heppoko:「どうしました?
suteinu:「ご主人さまが呼んでいます!どうやら、危険が大ピンチの様子!!
すっくと支援プリースト、すていぬは立ち上がり、駆け出しました。
suteinu:「今行きますよ、ご主人さまー!!
プロに戻っていた夢さんと合流し、一路、すていぬはプロ北ダンジョンを目指します。
支援プリーストのふたりがたどり着けば、みんな起こせますし、救出だって、おちゃのこサイサイです。
suteinu:「ご主人さまー!!
spit:「はやくこい、いぬ!!
suteinu:「もう、ばっちりです!任せてくださいですよ!!
suteinu:「
今日の任務完了。*7
spit:「お前に期待した俺が馬鹿だったよ…
そんなこんなで、制限時間オーバー。
ringo:「あああああぁぁぁぁ!? 捕まえられなかったー!!
aoiruka:「か、勝ったのかー!?
makie:「微妙…
spit:「俺は死んでる時間の方が長かったな…
命がけの鬼ごっこは終了したのでした。
suteinu:「ご主人さま、リベンジですよー!!
spit:「いや、もう終わったから…
suteinu:「ああッ、セーブが天津!?
*1 プロ北Dこと、プロンテラ北ダンジョンは、高レベルダンジョン。
*2 名射手のりんご。矢の刺さったりんごのグラフィックなので、通称、矢りんご。Dexが上がる頭装備で、結構いいもの。
*3 プロ北Dはワープポイントが変な風に繋がっていて、迷宮のようになっている。
*4 行き先がランダムに決定されるワープポイントもある。
*5 こげ茶のサルがその「チョコ」 中ボス。それなりに強いが、1匹ならどうという事はない程度。
*6 モンハウ。モンスターの溜まっているところ。プロ北Dは構造上、モンハウが出来やすい。
*7 プロンテラの北門を出たところ。なにやら、大規模テロがあったらしく、死体がごろごろ。
**後日談
結局、あおさんは死んでいたので、林檎が勝者という事で、矢林檎をもらったのでした。