studio Odyssey



あとがき。


 いかがでしたでしょうかー!
 Ragnarok onBook EP2.0。

 今回は、テンション高いです!ええ、高いですよっ。
 って、何故って、いいものが書けたと思うからですよっ。

 あ、さて。
 テンション高いのはこれくらいにして(短いなっ)、では、恒例のぶっちゃけトーク的、あとがきと行きましょうか。

 今回のonBook EP2.0を書き始めたのは、記憶によると、6月の頭くらいだったと思います。今日は9月の頭ですので、だいたい、3ヶ月といったところでしょうか。
 んまぁ、これくらいのサイズだと、やっぱり3ヶ月くらいかな。

 もともとは、夏コミの原稿にするかと書き始めたものだったのですが、締め切り様の関係と、ページ数の関係で、諦めました。
 本当は、文庫本サイズで印刷して出したかったのだけれどね。
 文庫本は、僕の夢なので。

 さて、それはともかく、onBook EP2.0。

 いろいろありました。
 まずはとにもかくにも、書き始め。
 この時は、暗中模索でした。
 だいたい、ストーリーの大まかな流れは書き出す前に決めて、あとはキャラクタの動きに会わせて少しずつ修正していくのが僕の書き方なのですが、その書き方のプロセス以前の問題に、今回は不安がいっぱいありました。
 つまり、「書き方を忘れていた」事でした。

 onBook EP2.0のweb公開までの間に、スタジオ日誌で書いてきたことと重複してしまいますが、実際問題、僕が長編を書くのは、ものすごく久しぶりです。
 おそらく、二年か、三年ぶりだと思います。
 長編と言えるサイズのもので、これ以前に僕が書いたものはなんてしょうか。
 って、そんな問をしたところで、オデマニア(いるのか)か、僕のストーカーでもなければわからないでしょう。
 これ以前に書いた、長編で、完結しているものと言えば、おそらくR‐0までさかのぼります。
 九七年の春から、秋に連載された、アレです。
 ええ、それくらいまで、さかのぼります。

 読み切りサイズというところにまで話を戻せば、おそらくそれは直近の作品である、onBook EP1.5でしょう。
 onBook EP1.5はですが、書き方が一人称です。

 これは何故一人称であるかというと、一人称というのは、台詞以外の部分、ようは描写の部分ですが、この部分が、一人称の主人公の視点を通した書き方で書けばいいため、実は、楽なのです。
 花があったとして、主人公が花がなんだか知らなければ、「花がある」だけですむのです。主人公に詩的な才能がなければ、「その花は白く可憐で、ただ一輪、ぽつんとそこにあった」とか、書く必要がありません。
 ええ、つまり、いくらでも逃げられるのです!

 よって、僕はあまり一人称が好きではありません。(作品世界によりますが)
 でも、EP1.5は一人称で書きました。

 それは何故か。

 三人称で書ける自信が、なかったためです。
 EP1.5は、言うなければリハビリ作品でした。
 ストーリーの組み立てや、キャラクターを動かすということを忘れていた僕の、リハビリ作品です。
 では、その前のonBook βは?
 これも、三人称ですが、書き方が独特です。

 これは、webにて連載しているRO日記の影響を色濃く出しています。この前の一年で僕が作ってきたものは、このRO日記と、同人活動の方での「砂時計 II」だけです。ちなみにこれを書いたのは、五月ですので、onBook βまでの、約一年の間、僕はRO日記以外、まともに創作活動をしていなかったのです。
 RO日記は実際にあったことを、おもしろおかしく書き連ねています。ですので、創作とは、ちょっと呼べません。物作り、とくらいは、言えるかも知れませんが。

 このことをふまえてonBook βを見ると、描写部分の書き方が、このRO日記と似ていることに気づきます。

 はい。

 この書き方以外の書き方が、当時は出来なかったのです。

 これは衝撃です。
 物書きなんて、頭に思い浮かぶ風景を、ぺけぺけと書き出していくだけです。キャラクターを動かしながら、彼らの台詞、一挙手一投足を書き出していくだけです。
 なのに、その時の僕には、彼らの言葉を、動きを、伝えるすべがあの書き方以外にはなかったのです。
 これはショックでした。

 そりゃ、一年も書いてなければ、書き方忘れますよ…
 そこから、リハビリでした。
 様々な小説入門の本を読み返し、過去の自分の作品を読んで、自分の文体を思い出し、そしてその中でEP1.5。
 そして今回、EP2.0。

 書き始めるまで、出来るかどうかが不安でした。
 いえ、書き始めても、第一章くらいまでは、不安でした。
 これでいいのだろうか。
 僕の頭の中の情景は、伝わっているのだろうか。みんなの頭の中で、しっかりとストーリーは展開しているのだろうか。
 とてもとても、不安でした。

 一章ができあがった段階で(ダウンロードデータでいうところの、1ファイル目)、オデスタッフにメールを送りました。
 とりあえずの状態を見て貰うためです。
 返信されてきたメール。
 誰とは言いませんけれど、「とりあえず、読後の感想を一言」

「わかりにくい」

 キター!?

 素晴らしいです。思った通りの反応に思わず涙が出そうです。
 そしてメールの下には、ずらずらとその「わかりにくい」という部分がピックアップされています。ありがたい限りです。頭が下がります。

 他のメンツからも、同様のメールが届きました。
 ありがたい限りです。
 物書きというのは、どうしても自分ひとりの作業であるため、周りが見えなくなりがちです。特に、先に書いたようなことから、周りが見えなくなっている状態の僕です。

 彼らの的確なアドバイスが、僕に活力と、見る力を取り戻させました。

 二章を書き上げました。二章はどうしても展開では承にあたる部分なため、ダレがちになってしまいました。これも皆に見て貰いました。
 ダレがちで、個人的にはいまいちかな…みんなが叩いてくれて、直した方が、締まるかな…と思っていたのですが、思ったよりは読みやすくなっていたようです。

 個人的には、二章はもっとよくできると思っているので、公会前日までシェイプしようと思ってはいます。
 と言うより、今、こう思うことが出来ているところを考えると、一章の初期稿はどれほど悪かったのでしょうか…思い出したくもありません…

 さて、三章を書き始めました。
 本当はこの三章で物語りは終わるはずだったのですが、だんだんと乗ってきました。
 いい感じです。

 と、言うより、スピットが暴走しました。なんだか、こんちくしょうという気がしたので、ドレイクや魔女を、もっと暴走させてみました。
 …スピットが死んじゃいました。
 な、なむ…
 こんな展開は、当初、考えていなかったのですが…
 さて、ネタバレであとがきは行くのがいつものスタンスなので、本編を読んでいない人は、ここら辺でさようなら。読め。ってゆーか、本編を読め!マヂで読め。

 読んでください。

 自分でいうのもなんですが、よい作品に仕上がっていますので。
 さて、そんな訳で、ネタバレ話の続き。

 スピットが死んだと見せかけて(僕の頭の中では本当に死にましたが)、再び立ち上がるまでの間のシーン。
 このシーンのユイとフレックス、そしてアピとスピットの対比を書いているとき、僕はかなり興奮して書いていたような記憶があります。たぶん、この辺りは一日で書き上げているはずです。真夜中に、たぶん、がーっと勢いに任せて書いていたはずです。

 どうでしょうか。

 僕はこのシーン、良くも悪くも、自分が復活したシーンだと思っています。
 そして最後に立ち上がるスピットと共に、僕もよみがえったような気がしました。

 書ける。
 確信に変わりました。

 この時、物語は混沌としていましたが、書き上げられると確信しました。いける。このストーリーは、必ず終わることが出来る。
 その後、スピットにはかなり痛い目に遭っていただきましたが、このシーン…少々衝撃的すぎるきらいがありますけれど、こんなシーンがすらすらと書けてしまった自分に、にやり。

 いや、でもこのシーンのラストのユイの描写は、いいですな…
 あぁ、自画自賛。

 さて。
 そんなわけで、ラストまで一気に駆け抜けたonBook EP2.0。ここから先の制作は、たぶん2日くらいです。間にちょいと出かけたりなんだりで、一週間くらいはかかっていますが。

 このonBook EP2.0は、テーマもよく書けていると思います。
 それが何かはみなさんに感じ取っていただければ幸いだと思いますけれど、僕自身は、このテーマに自分を重ね合わせ、そして彼らと共に成長し、この作品を書き上げることの出来た自分を、今、ほめてやりたいと思います。

 よくやった、俺!
 感動したっ!!

 そしてこの愛すべきキャラクターたちに、今はただ、ありがとう。

 つか、スピ。
 お前はRO日記と性格、違いすぎ。


 最後に、恒例のスペシャルサンクス!
 Ragnarok Onlineのお友達のみんな、そしてベンチメンバー、ギルドのやつら。いつもありがとう!おまえらがいてくれたおかげで、この物語が生まれたのです。とくに、ギルドRagnarokの面々は、一層のありがとうを!

 第一章を読んで、気になったところをすぱざくと突っ込んでくれたいまむら風、ありがとう。
 書き方を忘れていた俺にとっては、適切なアドバイスで、とても助かりました。

 物書きの仕方を忘れていた俺に、本を紹介してくれた室長もありがとう!たぶん、ぜーんぜん気づいていないだろうけれど、借りた本とそして、それに紹介されていた本は、今回のonBook EP2.0を書くにあたって、とてもよい刺激と、技術を与えてくれました。ここまでの作品に仕上がったのは、これのおかげかも知れません。


 そして、最後に、アピ。
 Online、Offline、そしてonBookと、スピットの力になってくれてありがとう。今回の役回り、RO日記の初登場の時からずっとあったお話でしたが、やっとこ今、実現できたのも、あなたの影ながらの支えがあったからでしょう。これからもよろしく。そして、EP3.0では、より一層の…ん?

 EP3.0って、なんですかッ!?


 さて、そんな訳で、いかがだったでしょうか、Ragnarok onBook EP2.0。
 願わくば、この作品がみなさんの心の琴線に、少しでも触れることが出来ていたらと、思います。
 では。
 次回、またどこかでのあとがきで、お会いしましょう!

 おつ〜。



2003/09/04の日付の境目に、腰痛がしてきた…