ShortCut Link:
真っ白な世界。
塵ひとつすら無い不思議空間に、俺は立っていた。
「これは…なんなんだろうか。」
何も無かったので、ふと自分の手を見てみると
記憶にない、不思議なブレスレッドが付いていた。
外そうとしても、外れない。
まぁ、無色なので気にしないことにした。
「しかし…。これから一体何をすれば…。」
私はそう思いながら、前に走ってみた。
しかし、行けども行けども同じような場所ばかり。
進んでいるのかとさえ思うが、疲れているので進んでいるのだろう。
「はぁ…なんなんだこの世界は…。もう帰ろうかな…。」
戻ろうかと思った瞬間、目の前に突然巨大な扉が出現した。
扉は外見からして重そうに見えた。が、片手で押しただけで簡単に開いてしまった。
私はその扉をくぐった。
その瞬間、まばゆい光に包まれた。俺は正視出来なくなって目を閉じた。
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光が無くなり目を開けてみると、広場のような場所に俺は居た。
辺りを眺めてみるが、家がドーナツ上に密集している。
その家々の間に、お店の看板とかが所々に置いてある。どうやらここは住宅街のようだ。
看板に混じって、なにやら立て札のような物があった。
――この先にある、屋根の黒い家に行きなさい。
そこでの行動が、重要になるでしょう。
そこだけ、真っ直ぐに道が開けていた。道の左右にも家や店があったが、ひとつだけひときわ大きい家があった。
その家の屋根の色は、黒だった。
立て札の指示に従い、その家に入った。
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広い空間に出た。
泣いている子が居たが、気にせず辺りを眺めてみる。
ブレスレッドが少々黒くなった。
…2階立ての家で、2階へと続く階段が、左右に大きく続いている。
俺は2階へ向かった。
下で悲鳴が聞こえたが、聞こえなかったことにする。
ブレスレッドが灰色になった。
2階の廊下には沢山扉があり、開けてみようとするも、どこも鍵がかかっていた。
一番奥の右の扉だけ、鍵がかかってなかった。そこの扉だけ、なぜか灰色だった。
開けてみると、金庫が沢山置いてあった。
不用心だな、と思い手を出す。
と、ブレスレッドが黒い光を出しながら輝いた。
光が消えたときには人型の影が数人立っていた。
「手伝うか?」と聞かれ、こくりと頷いた。
金庫を開けようとして手を出したら、背中に激痛が走った。
バッと後ろを見ると、人型の影が剣みたいな黒い物で刺していた。
「…人数は少ない方が、分け前が多いしね。悪いが死んでくれ。」
影がそう言ったのを聞いた、その途端に眠くなって、意識が段々と無くなっていった。