「告白する」
と、ソイツは言った。
「すれば?」
と、僕は返した。
「いやまてよ!なんでそうあっけない!!」
くってかかる。
「トモダチが一世一代の大イベントをしようってんだ、もっと乗ってこいよ!」
「ったってな…」
僕はため息を吐く。
トモダチというけれど、どちらかと言えば腐れ縁。
「いいか、サル」
口も悪い。
「俺は告白する」
「すれば?」
「そこでお前に頼みがある」
嫌な予感がした、六月のある日。
梅雨の合間の晴れ間、ソイツは言った。
「彼女を誘い出してくれねーか?」
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- しゃちょ@studi Odyssey
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1本のストーリーとして構成するにあたって頭を悩ませたのが、始まり方。
起にエピソードを割くと、後半詰まるだろうと思っていたので…ちなみに、投稿作品をどこに入れるか考えながら、ストーリー順に書いて行きました。