studio Odyssey


迷惑な始まり

「告白する」
 と、ソイツは言った。
「すれば?」
 と、僕は返した。

「いやまてよ!なんでそうあっけない!!」
 くってかかる。
「トモダチが一世一代の大イベントをしようってんだ、もっと乗ってこいよ!」

「ったってな…」

 僕はため息を吐く。
 トモダチというけれど、どちらかと言えば腐れ縁。
「いいか、サル」
 口も悪い。
「俺は告白する」
「すれば?」

「そこでお前に頼みがある」

 嫌な予感がした、六月のある日。
 梅雨の合間の晴れ間、ソイツは言った。

「彼女を誘い出してくれねーか?」


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504KB
author:
しゃちょ@studi Odyssey
author's comment:
 1本のストーリーとして構成するにあたって頭を悩ませたのが、始まり方。
 起にエピソードを割くと、後半詰まるだろうと思っていたので…ちなみに、投稿作品をどこに入れるか考えながら、ストーリー順に書いて行きました。