studio Odyssey


季節は動く

「告白する」
 と、ソイツは言った。
「止めておけ」
 と、俺は返した。

「安心しろ。お前には頼まない」
 あっさりと言う。
「お前はお前でがんばれ」

「ったってな…」

 俺はため息を吐く。
 親友は、どうにも鈍いらしい。
 相手にその気がないことくらい、わかってるだろうに。
「いいか、サル」
 俺は言う。
「それで、今後、気まずくなったらどうする?」
「わかってる」

「そこでお前に頼みがある」

 嫌な予感がした、七月のある日。
 梅雨の終わり、ソイツは言った。

「だから、お前はがんばってくれ」


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author:
しゃちょ@studio Odyssey
author's comment:
 ストーリーとして主人公はヒロインに告白する流れだったのですが、さてどうしたものか…
 と、言うことで、1つめのエピソードの逆パターン。