studio Odyssey


過ぎ去った季節の中で

 そして彼女は小さく答えを僕に伝えて、

 泣いた。

 ああ、そうだ。

 その場所に彼女はいなかった。
 変わりに、
 その場所には彼女がいたんだ。

「忘れてしまった思い出が多すぎる」
 と、彼女は言った。

「何時までも、私たちが一緒にいられますように」
 と、彼女は願った。

 あの季節に。

「彼女のことを何も知らない」
 と、ソイツは言った。

「オマエの、彼女を想う気持ちってなんだ?」
 と、ソイツは聞いた。

「さようなら」
 と、彼女は言った。

 あの、

 「夏の始まりの季節」に。


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author:
しゃちょ@studio Odyssey
author's comment:
 そんなわけで、ストーリー。
 そして…