spit(スピット)には、仲のいい友達がいる。
というより、正確には勝手に友達と思ってる友達がいる。
そんな中のひとりに、行きずりの魔導士、Abdough(アブドゥーグ)がいる。
アブドゥーグ。
通称、アブ。
彼もまた、スピットと同じく、魔導士だ。
と、言っても、彼もまた、スピットと同じく、一筋縄ではいかないのだけれど。
今日は、スピットとその仲間たちをちょっと、見てみようと思う。
spitとその仲間たち。
spit:「かまえー。
Abd:「なにが?
spit:「いや、なんとなく。
砂漠をてくてく歩いていたスピット。
ふと、アブと出会いました。
spit:「なにしてんの?
Abd:「見ての通り…
Abd:「
修行中。
マテ。アブ。
魔導士の攻撃力じゃない…
いや、確かにグラディウス
*1なんて武器を持っている訳で、攻撃力があるのは分かるけれど…
spit:「んー。
spit:「相変わらず、進む道を間違えてるね。(w
いや…
うん…スピット…
でも、友達にそんな言い方は…
Abd:「私は魔導士ではないですから。
spit:「あ、そだね。(w
Abd:「
剣士見習い補佐代理です。
spit:「だったね。(w
いや、スピット、そんな職業は
ない。
*2
アブはそんな事を言いながら、狩りを続けます。
ひたすら攻撃です。
spitはなんとなく、見ています。
ふと、スピットは聞きました。
spit:「なぁ、アブ…
Abd:「はい?
アブは戦いの手を休めて言いました。
Abd:「なんでしょう?
spit:「アブは、なんで魔導士になったの?
剣で戦うなら、イタみたいに剣士になればよかったのに。
聞かれて、すこし、アブは考えました。考えましたが、「ああ」と小さく思い出したように喉を鳴らしてから、
Abd:「そういえば、何故でしょう?
spit:「
マテ。
Abd:「そういうスピこそ、どうして魔導士に?
spit:「んー?
そしてスピットはちらりと砂漠の遠くを見ました。
spit:「マジシャン
(♀)のお友達が…
Abd:「
マテ!
spit:「待ちません。(w
Abd:「何がだ?
スピット、顔が大マジです…
*3
Abd:「そんな不純な動機で魔導士に…
spit:「魔法の使えない魔導士よりはマシだ。
Abd:「失敬な!
魔法ぐらい、ちゃんと使える!
spit:「見たことないよ。
Abd:「ならば、その目でしっかりと見よ!spit!!
ひっさーつ…!!
spit:「
Σ(゜д゜lll)
spit:「
3…って…
Abd:「うおぉおりゃー!(倒せなかったので、叩くアブ)
spit:「
3…って…3…
Abd:「ふー。(片づけた) どうだ! spit!!
spit:「てや。
spit:「あ、あんまり当たらなかったな。
Abd:「
一撃でぺこぺこって…一撃で…*4
spit:「たしか、魔導士になったのは1日違いだったよナー?(w
*5
Abd:「
おのれ…
Abd:「
コルドボルト!*6
spit:「ライトニングボルト〜(w
*7
Abd:「
コルドボルト!
spit:「ライトニングボルト!!
Abd:「
コルドボルト!!
spit:「ライトニングボルト〜!!
Abd:「
コルドボルト!!
spit:「
ライトニングボルト〜!!
Abd:「
コルドボルト!!
spit:「
ライトニングボルト〜!!
Abd:「
コルド…
spit:「たいむ。
Abd:「?
spit:「電池切れ。
*8
Abd:「
Σ(゜д゜lll)
…spit。
調子に載って魔法を連打しても、実はSPの回復力が、レベル1の魔導士のそれと同じ。
つまり、アブより強い魔法をばしばし唱えられても、アブより先に魔力がつき…
Abd:「早すぎ!?
spit:「放電かみなり魔導士だから。(w
…いや、spit。
意味がわかりません。*9
spit:「充電するわ。
Abd:「うい。俺は、ピッキでも叩いてくるわ。
spit:「行ってらっしゃーい。
spitと仲間たちは、いつもこんなだ。
*1 お店で買える、一番強い短剣。
*2 ちなみにアブの攻撃力は下手な剣士並み。
*3 アコライト派か、マジシャン派か。spitはマジシャン派。赤髪か、青髪が…
ちなみにこのショットはたまたまその辺にいた方。
*4 アブが魔法をかけたのは、モンスターレベル3の敵、チョンチョン。ハエ。スピットが魔法をかけたのはモンスターレベル23のペコペコ。
*5 事実。そして二人のレベルは2レベル程度の差しかない。
*6 コルドボルト。氷の矢で敵を攻撃する魔法。水属性。レベルがあがると氷の矢の本数が増えて、多弾ダメージを与える。前出の「3」は、そのうちの1発の数値。
*7 ライトニングボルト。雷の魔法。風属性。コルドボルトと同様に、レベルがあがるごとに雷の本数が増える。スピットはちなみに雷系魔導士。他の魔法は覚えていない。
*8 電池切れ。スピットで言うところの、SP切れ。つまり魔力が底をついて魔法が使えなくなった状態。
雷魔導士のスピットは、SPを「電池」と言う。
*9 SPは何もしないでいると自然に回復する。Ragnarokの世界では、歩いていてもSPは回復し、HPは止まっていれば回復する。
その中で、マジシャンのようにSPを大量に消費する職業の者には、スキルとして「SP回復向上」というスキルがある。10秒に1回、レベルに応じてSPを3の倍数分回復し、魔力の消耗を助けるというものだが…
スピットはそのスキルを1レベルも、持っていない。
ちなみに剣士には「HP回復向上」というスキルがあり、さらに付け加えておくと、アブは「SP回復向上」のスキルを、9レベル持っている。
強力な魔法が使えないアブに、SP回復向上が9レベル…
高レベルな魔法が使えるスピットに0レベル…
スピットの「電池切れ」は日常茶飯事だ。