studio Odyssey



毎朝と違う朝

Written by : u-1

 目が覚める。
 AM 6:00。
 寒い冬の朝。
 眠気覚ましのコーヒーを煎れるためにキッチンへ向かう。
 いつもの朝の始まり。


 目が覚める。
 AM 7:30。
 昨日の疲れの残った身体のまま、のそりと起きる。
 頭の寝癖に手をやりながら、陰鬱な一日の始まりに苦虫をかみつぶす。
 いつもの朝の始まり。
 最低。


 いつものように朝食のトーストにかじる。
 テレビをつけて、朝のニュースを見るとはなしに眺めてる。
 今日も一日、いつもと同じ。
 代わり映えのしない毎日。


 髪の毛を直して、Yシャツに袖を通して、スーツを着る。
 朝食を取る時間なんて、いつものように、あるわけがない。
 昨日の晩、いや今日だったか、帰ってきた時から何も変わっていない部屋を見回して、出る。鍵の確認もガスの確認も必要ない。何も変わっていないから。
 毎日同じ生活。
 最低。


 駅への道のり。
 いつものように歩く。
 アスファルトを打つヒールの音。
 いつもと同じ。


 駅への道のり。
 いつものように早足で歩く。
 腕時計に目をやって、デジタル表示の示す時間に少し足を速める。
 いつもと同じ。
 最低。


 改札を抜ける。


 そして駅のホーム。


 アナウンスが聞こえてくる。


 いつもと同じ。


 いつもと同じ時間。


 1番線と2番線に、電車が滑り込む。


 私は振り返る。


 俺は振り返る。


 歩き出す。


 すれ違う。


 そして、乗り込む。


 AM 8:28。
 ホームを電車が離れていく。

 いつもと違う方向へ。
 いつもと違う、一日の始まり。

 もしかしたら、最高。


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u-1
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http://www.studio-odyssey.net/thcarnival/x02b/x02b01.htm
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author's comment:
 15分きつー。