studio Odyssey


それは大切なこと

「忘れてしまった思い出が多すぎる」
 と、彼女は言った。

 僕には、その言葉の意味がわからなかった。
 だから、
 僕は彼女に、「それは何?」と聞いた。

 青い水平線を見つめ、
 彼女は寂しそうに笑う。

「よくわからない」
 と、笑う。

 僕は彼女の事が好きで、
 彼女も僕の事が好きだと言う。

 けれど、
 彼女は寂しそうに笑う。
 それは、

「忘れてしまった思い出が多すぎる」
 からだと、彼女は言った。

 僕には、

 彼女の想う気持ちが、わからなかった。


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author:
しゃちょ@studio Odyssey
author's comment:
 このコメント律儀に読まなくてもいいですよ。はい。
 突っ込んで書いたりはしませんので。